つれづれマンガ日記 改

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クローズ

週間少年チャンピオンの歴史に名を刻んだ、
高橋ヒロシ」の説明不要の有名作品。

ただひたすら不良が喧嘩するだけのはずのマンガが、
これだけ面白いのは、キャラクターの魅力によるところが大きい。

特に、主人公「坊屋春道」の存在感は圧倒的で、
どんな場面でも相手をぶっとばしていく爽快感に浸りながら、
本作を楽しむことができる。

そして、物語のもう一つの柱がやはり「リンダマン」の存在だろう。

春道が、つまらない不良社会の権力闘争に身を置かずに、
自分が怒りたいときに怒り、笑いたいときに笑う青春を追及している中で、
別の場所から同じ価値観を共有している男。

圧倒的に強い主人公を超え続ける存在というのは、
マンガ作劇においてはかなり珍しいタイプのキャラクターである。

大抵のライバルキャラクターは、主人公の踏み台になるものなのだが、
リンダマンは、そんなテンプレート的な存在を超えた
永遠の壁として、主人公の前に立ちはだかり続ける。

その意味では終盤間際で、どれだけ別のキャラクターとの喧嘩が展開しても、
どうしても、リンダマンの卒業式ほど熱くなれないのは、
仕方がない事なのかもしれない。

以降、続編やスピンアウトが多数輩出されるわけだが、
それでもなお、本作の魅力を簡単に超える事ができない
不良マンガの金字塔である。

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