(2012年評)
一冊の中に様々なテーマを含んだ短編集。
実験的な作品からいつもの雰囲気の作品まで
色々含んでおり、タイトルのミラーボールにふさわしい内容。
収録されている作品の中で
一番合わなかったのは、「うつくしい森」
描きたいテーマの抽象化が不十分に感じられた。
女性のトゲをあまりにダイレクトに描きすぎていて、
キャラクターの台詞などからそれが伝わりすぎる。
もう少しオブラートに包まれると読んでいるほうも読みやすい。
「カレン」は大変おもしろく、リアリティもあると感じたところ、
あと書きでもモデルがいるとの事だったので至極納得。
最後の「エボニーオリーブ」こそ、
他のマンガ家には真似できない
「ヤマシタトモコ」の真骨頂ではないだろうか。
抽象描写や、表情だけのシーン、内面の独白等より
この作者のキャラは
動いてしゃべっている時が一番快活としている。
本作は、ガールズトークをテーマに描かれているが、
それだけにほぼ終始させても、面白い作品が作れるはず。
これは、素晴らしい才能だ。
表題作もあわせて、総じてレベルが高い。
十分平均点以上の作品。
やはりランキング常連は伊達ではない。
ミラーボール・フラッシング・マジック (Feelコミックス)
- 作者: ヤマシタトモコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2011/04/08
- メディア: コミック
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