本作は鉄道と恋愛がメインテーマの
オムニバス形式の作品となるが、
「中村明日美子」は相変わらず読んでいて安心できるマンガ家である。
昨今の短編集は、駄作が混じるケースが殆どだが、
本作の場合、どれをとっても
捨て作品がない辺りはさすがというべきか。
正統派恋愛から恋愛奇譚まで幅広く描けて粗が無い。
鉄道というテーマも、無理やり作品に仕込んでいるのではなく、
本人が鉄道好きな事が伝わってくる良作である。
個人的には唯一恋愛があまり絡んでこない
「木曜日のサバラン」が一番気に入ってしまったのだから、
我ながら年をとったものだ。
ストーリーが書ける。
プロットが上手い。
絵がキレイ。
キャラも立っている。
早く長期連載が読みたい。
モーニングで連載していた「呼出し一」が復活してほしいものだ。