つれづれマンガ日記 改

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パレス・メイヂ

架空の日本の明治時代を描いた、
身分違いの近代宮廷恋愛絵巻もついに完結である。

暴れん坊本屋さん」の「久世番子」に、
まさかこんなマンガが描けるとは、正直、驚かされた。

しかし、その世界観や設定の奥深さからは、
様々な資料を調査したであろう事が伺え、
本や世界を俯瞰して眺めていたであろう才能が活かされている。

また、少年出仕と少女帝という
叶わぬ恋の物語を無駄に長期連載にもちこまず、
全7冊で決着させた点も非常に良かった。

物語の中で、少女帝と少年が
素直にその心の中を触れ合わせるのは、
本当にわずかな時間である。

ラストの展開も何ともあっさりしていて、
どことなく儚く寂しい物語だ。
しかし、だからこそ、この作品のメインテーマであった、
身分違いの恋が映えるのだろう。

この辺り、ドラマティックな近年の物語が好きな方には
多少物足りないかもしれないが、
設定上の時代背景を考慮すると、完璧なラストだともいえる。

王道の恋愛少女マンガが好きな方に
是非オススメしたい名作である。

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