ミシュランの調査員という
秘密のベールに包まれた職業の経験者を原作に迎え
モーニングで連載されていた「高浜寛」の最新作である。
作者の作品が好きなので、非常に期待して読んだわけだが、
良くも悪くも普通の面白さの作品だった。
誠実な世界観を描く作者なので、
ミシュランの調査員の世界を、
一人の女性主人公の視線で
丁寧に描いている点は高く評価したい。
ただ、テーマ自体が抜群にマンガ映えする素材なので、
もっと、良くも悪くも大風呂敷が広げられて、
誇張表現をするタイプのマンガ家に
面白おかしく描いてもらっても良かったのかもしれない。
ただ、そうなると、今度はミシュラン側の
許可が得られないとう問題が発生するわけだが。
ともあれ、美食の世界の裏側を
マンガで知れるのだから、マンガの幅広さに感謝である。
全1冊で綺麗に完結しているので、
ミシュランに興味がある方には是非オススメしたい。