つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

包丁人味平

あまりに懐かしい本作を古本屋で発見して、
久しぶりに読了。

やはり、この時代は
牛次郎」と「ビッグ錠」コンビの黄金時代だ。


70年代少年マンガの魅力のほとんどが、
この辺りの作品に詰まっていると断言したい。


まだマンガにリアリティが
全く求められていなかった時代、
主人公味平は、「料理バトル」ともいえる世界観で、
「包丁試し」「点心礼」「荒磯勝負」等の
謎の料理?対決を繰り返す。


しかも、そのどれもが作中に少しだけ雰囲気をにおわせて、
翌週に引っ張るヒキの強さ。


数週間後に具体的に話が決まるという
強引な後付展開。


明らかに、最初は勢いで描き、
後付で内容を作っているのが、
オトナの視点で読んでしまうとわかってしまうが、
大ゴマと画力の勢いで押し切る劇画表現。


気が付けば、
特に料理修行をしていない追い回し程度のはずの、
主人公「味平」が、奇抜な発想と根性で
様々なジャンルの料理で、
日本一となっていくご都合主義。


伝説のブラックカレーに関しては、
もはやこのブログで言及するまでもないが、
最初読んだときは正直、
別の意味で感動した内容だった。


しかし、これが少年が読んでいたマンガなのだ。
改めて、最近の漫画が複雑になりすぎている事を実感した。


今となっては手に入りづらいが、
マンガ好きとしては、抑えておきたい一品だ。

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包丁人味平 全12巻セット (集英社文庫―コミック版)

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