つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

エースをねらえ!

言うまでもなく
70年代を代表する不朽の名作である。

本作は、テニスのマンガとして有名であり、
主人公「岡ひろみ」の周りに集う
お蝶夫人や宗方コーチ等、
名キャラクターに囲まれたスポ根マンガとしての
イメージが定着した作品だろう。


しかし、全巻を通して読み直すと、
これほどまでに、「他人を支える愛情」
を描き切った作品はなく、
長いマンガの歴史においても
その作品構成は、異端と言わざるを得ない。


マンガというのは、所詮エンターテイメントなので、
主人公が楽しく努力し、時に才能を発揮し、
結果、勝利を勝ち取る。
殆どのマンガはその構成に仕上がっている。

勿論、様々なジャンルが存在するので、
これが全てではないが、特にスポーツマンガは、
このパターンこそが王道である。

しかし本作は、その限りではない。

颯爽と登場する数々の名キャラクター、
それぞれが主役を張っておかしくないキャラクター達が、
自分たちを縁の下の力持ちと理解し、
惜しみない愛情を主人公に注ぎ、その成長を見守る。

こんな展開を見せるマンガは
他にはないのである。

そして、中でも特筆すべき愛情を
主人公「岡ひろみ」に注ぐコーチ「宗方仁」の存在。

その行動の理由が明かされる後半のストーリーは、
見事としか言いようがない。

一体、どこまで考えて創られた作品だったのか、
宗教家になってしまった作者「山本鈴美香」に
今となっては聞くすべはない。

しかし、そんな伏線回収といった話や、
70年代の絵柄がどうでもよくなるほど、
読み進めるほど面白さは増し、
最後は壮大に終幕を迎えるのである。

「岡、エースをねらえ!

その一言に本作の全ては集約されている。

未読の方には絶対オススメしたい古典名作の一つである。


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