つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

天才バカボン

誰もが知っている有名作品だが、
その序盤があまり面白くない事は
意外と知られていない。


連載初期のバカボンは、
正直それほど面白くない。
パパも常識人だし、
ギャグもそこそこだ。


ただ、中盤以降、
段々と作者の頭が
おかしくなってきた頃からの
面白さは凄い、というより怖い。


無駄が嫌いで体中から
手や足といった器官を失くして
ダルマになる男の話など、
一体何がオチで、
何を笑っているのかわからなくなる
シュールさと恐怖がある。

そして、メタフィクション的な
作中内の実験量も圧倒的。

あらゆるギャグの
地平線を制してしまった作品、
それがマンガの天才バカボンなのだ。


これほど真摯にギャグという狂気に
長期間向き合った作品は、
マンガの歴史においても殆ど例がなく、
近年では天才「うすた京介」のみが、
その後塵を拝したといえるだろう。


アニメの平和なバカボンしか知らない方は、
一度ばかり読んでみると良いかもしれない。

伝説的な作品の一つである。

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天才バカボン (1) (竹書房文庫)

天才バカボン (1) (竹書房文庫)