誰もが知っている有名作品だが、
その序盤があまり面白くない事は
意外と知られていない。
連載初期のバカボンは、
正直それほど面白くない。
パパも常識人だし、
ギャグもそこそこだ。
ただ、中盤以降、
段々と作者の頭が
おかしくなってきた頃からの
面白さは凄い、というより怖い。
無駄が嫌いで体中から
手や足といった器官を失くして
ダルマになる男の話など、
一体何がオチで、
何を笑っているのかわからなくなる
シュールさと恐怖がある。
そして、メタフィクション的な
作中内の実験量も圧倒的。
あらゆるギャグの
地平線を制してしまった作品、
それがマンガの天才バカボンなのだ。
これほど真摯にギャグという狂気に
長期間向き合った作品は、
マンガの歴史においても殆ど例がなく、
近年では天才「うすた京介」のみが、
その後塵を拝したといえるだろう。
アニメの平和なバカボンしか知らない方は、
一度ばかり読んでみると良いかもしれない。
伝説的な作品の一つである。