つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

諸星大二郎特選集

最近のマンガ読者にはそこまで知名度が高くないが、
往年のマンガファンには、
圧倒的な天才として知られている作者「諸星大二郎」。


しかし、それにしても改めて読み返すと天才すぎる。
どれをとっても面白い短編集で、
個人的には「感情のある風景」に感動したが、
凡そ捨て作品はない。

これだけ素晴らしい収録作品のほぼ全てが
70年代の作品という事実に恐れ入る。

また、儚げでいて少し狂気をまとっている
この歪んだデッサンの絵が味わい深い。


最近はSF的短編が少なくなっていて、
この手の作品が下火なのかと思わされたが、恐らく違う。


この時代の短編の名手達が、
圧倒的な名作を描き過ぎたのだろう。


だから、後続の漫画家は同ジャンルで闘う気がおきずに、
SF短編は廃れていったのだ。


手塚賞を満場一致で受賞した「生物都市」も収録。
こんな作品が無名の新人だったら、
それは盗作疑惑も起こるだろうな、と思わされる。


未読の方は必ず抑えるべき傑作であり、
まとめて諸星大二郎作品を堪能できる
幸せに浸るべきだろう。

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