今となっては有名マンガ家となった「うめ」だが、
小沢高広と妹尾朝子のコンビが、
ここまで有名になるとは、
本作の連載当初は、予想もできなかった。
貧乏小学生と、クズ親父というキャラクターを舞台に、
初期は完全に稲中の影響を受けた
シュールなギャグマンガだった本作。
しかし「塾編」あたりから、何かと闘う主人公という、
以後、作者の得意とするスタイルが完成されはじめ、
ラストの「イジメ編」では、現在の作者の最大の武器となる、
爽快感を見事に完成させて、物語を決着させている。
単なる貧乏ギャグマンガであれば、
ここまで記憶には残らなかった作品が、
今でも思い出深く残っているあたり、
やはり、才能の芽があったのだろう。
まぁ、売れた後には、誰でも何とでも言えるわけだが。
「地下沢中也」も「預言者ピッピ」
を産み出したりするわけだから、
親子マンガを描こうとする作者には、
何かしらの才能があるのかもしれない。