つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

部屋においでよ

ふとしたきっかけで同棲生活を始めた
男女の恋愛をテーマにした作品。

作者、原秀則が最も得意とするジャンルだろう。

原秀則も面白い作者で作品の多くは、というより殆どが、
平均点より確実に面白いマンガを描くのだが、
じゃあどの作品が最高か、または、どの作品が傑作か、
と問われると案外難しい。

むしろ、デビュー当初の「ジャストミート」
あたりが、割と遊び心に富んでいて、
個人的には最高かもしれないと思ってしまう。

それくらい、平均的なのだ。外さないし、外れない。

ただし、この競争激しいマンガ業界において、
超大ヒット作品を持たずに、
作品を生み出し続けているのだから、
やはり並の作家ではないのだろう。
(少女漫画界には多いタイプなのだが。)


本作が私の記憶に残る作品なのは、マンガ作品には数少ない、

「絵の描写」

による物語の進行が図られたからだ。

 

主人公塩村はカメラマンを夢見る青年だ。
彼女との同棲生活は、最初こそ上手くいくもの、
お互いが自分の仕事に夢中になるにつれ、
次第に倦怠感をはらみ。。。

この一連の流れの最後を決めるのが、
「カメラを通して描かれるヒロインの表情」であり、
ここでの描写力が抜群なのだ。

キャラクターの表情描写に
自信がなければできない展開だろう。

 

原秀則は、今でこそ絵が上手いマンガ家だろうが、
デビュー作「春よ恋」や、「さよなら三角」辺りを
見ればわかるがお世辞にも絵が上手なマンガ家ではなかった。

 
にも関わらず、これほどの心理描写を、
「絵」を通して描くようになったのだから、
誠にもって努力を怠らない人間は凄い。 


この努力ゆえに原秀則は今も、淡々と、
作品を生み出し続けられるのだろう。

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