つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

神々の山嶺

谷口ジロー」というマンガ界の至宝が亡くなってしまった。
そんなわけで、本作を本棚から取り出してきたわけである。

日本における山マンガとしては、
やはりこれがベスト1ではないだろうか。


ただひたすらに、自分の生きる証を残すために
山に登る主人公「羽生」と、その生き様に魅かれた
カメラマン「深町」の二人の男の物語。


本作の素晴らしさは、当然ながら「絵」である。


マンガである以上、ストーリーやキャラクターも重要なのだが、
それら全てを「絵」で支えているという点がずば抜けている。


山に憑りつかれた主人公「羽生」の生き様に
説得力を持たせているのは、この「絵」である。


エベレスト登頂の過酷さとリアリティを
読者に届けているのは、この「絵」である。


本作を唯一無二の山マンガに押し上げているのは、
間違いなく、この「絵」である。


他の誰でもなく「谷口ジロー」だからこそ
描けた、この世界。
ラスト付近のエベレスト登頂の描写はもはや圧倒的で、
紙の上にここまで登山を再現できるという技術に感動を覚える。


未読の方は必ず読むべき、マンガ界の最高峰の一つである。

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