「東京トイボックス」の作者「うめ」が描く、
日本最南端の島の舞台にした冒険の物語。
本島からやってきた少年と、地元の少年が出会う
導入部分の物語は王道で良かったが、
もう一つの裏のエピソードが複雑で、
全3冊で纏めるには非常に厳しい作品だった。
島を舞台にした生活と冒険だけでも、
物語として十分に機能していたが、
少し欲張って複雑な構成を創ってしまったゆえに、
作品の質が下がるのは、
ベテラン作者にはありがちな展開である。
最終巻あとがきを読むと、
全1巻の予定の作品が、
裏の設定を表に出したせいで伸びてしまったとの事で、
見事にそのあとがき通りの作品になっている。
タイトルのトムソーヤという言葉の秘密は
作中で明かされるので興味があれば。