掲載雑誌の読者層にあうかどうか、
というのは非常に重要な問題である。
その意味で、掲載雑誌を間違った為に
早期打ち切りを招いたのがこの作品だろう。
卓球という地味目なテーマでありながら、
作品を盛り上げることに成功しているのは、
偏に作者のオタクっぽいセンス故である。
しかし、確かにそのセンスが
偏りすぎている部分もあり、
結果としてジャンプの購読者層に
合わなかったのも若干頷ける。
ただ、作品としては大変面白い。
1巻から読み直してみても、
様々なキャラクターの設定が
十分に練られていた事がよくわかり、
好感触だ。
最終7巻には連載では描けなかった
様々な伏線を回収した
最終話が掲載されており、
その面白さがまた
打ち切りの空しさを感じさせる。
続きが読みたかった作品だけに、
大変無念である。
昨今は、有名マンガ家の続編を
描かせる雑誌もあるのだから、
再開を望む声が多ければ、
続きが描ける様な環境が整えば、
まだ見ぬ名作が産まれるのではないだろうか。
江尻立真の次回作に期待したい。