奇才「山崎紗也夏」が描く
不思議な家族の物語。
作家「原田壮」が、
社会的名声を手にし始めた頃、
昔の女性が子供を連れて彼の家を訪れる。
若い頃に彼女に苦労をかけた事を思い出し、
彼は償いの意味で、子供を引き取る決心をする。
そして、新しい生活が始まるはずだったが、
また次の昔の女性が現れて、やはり、子供を連れてくる。
そして、しばらくすると玄関に手紙を持った男の子が現れて。。。
この辺りの流れが絶妙で、
かくして不思議な大家族が生まれることになる。
作者が持っていた
デビュー当時のトゲが次第に消えて、
メジャー作家に変貌していく前の、
転換期の作品と言えるだろう。
全5冊。文庫で3冊。
のんびりとした雰囲気で終わる。
作者のあとがきどおり、
また続きを書いてほしい作品だ。