19歳のデビュー作から始まって、
エクソシストの原型となった、
「深山鶯邸事件」までが収録されているが、
一言で言って、テーマがバラバラの短編集である。
同じ作者の短編集なのに、
これぐらいバラバラの雰囲気の作品が
並んでいる単行本も珍しい。
共通して言えることはただ一つ。
全ての作品が奇妙な雰囲気を醸し出していた点だ。
正確には、「ホシオタ」という短編集だけを除いて、
言葉にしづらい妙な雰囲気を備えている。
強いて言うなら
作者のオリジナリティなのだろうか。
狙ってやっているのかと思って、
あとがきを読むとさらにびっくり。
「ホシオタ」を描くまでは、
読者のことなど考えずに、
自分が描きたいモノを描き続けていたとの事。
およそ商業作家らしからぬ、
その奔放振りが、本人の作風を広げて、
『青の祓魔師』の土台となっている事は間違いないだろう。
物語の良否は別として、
作者の成長が伺えるという点では面白い短編集かもしれない。
TIME KILLERS 加藤和恵短編集 (ジャンプコミックス)
- 作者: 加藤和恵
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/10/04
- メディア: コミック
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