「寺沢大介」の路線を決定付けた作品。
当時いくつかあった料理マンガの中でも、
本作が流行したのはやはり、
「天才少年料理人」
という主人公味吉陽一の
キャラクター設定だったのだろう。
また、それまでの
奇抜な料理手法を得意とする
料理マンガ群よりも、
少しだけ現実的な料理手法を
選択している点も注目したい。
以後、この方式は「美味しんぼ」が
完成させるまでの料理マンガの規定路線となる。
有名なアニメ版と異なり、
マンガ版の最終シリーズは、
味皇との直接対決
「味試し」で終結する。
意外にシリアスな終わり方も、
記憶に残るものがあった。
すでに作品発表から
30年近くが経過しようとしている料理マンガの古典だが、
続編や、その後の寺沢大介料理マンガの
変遷を見る上でも抑えておくべき作品だろう。