つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

綿の国星

大島弓子」の定番の作品。

主人公の「チビ猫」は、
可愛い子猫。
けれども、その容姿は、
マンガの世界では少女の姿をしており、
彼女の視点を通して、世界は物語られる。


最初に読んだときは、
我輩は猫である」かと思ってしまった。


けれども、よくよく読んでみると
両者は大きく違う。


「我輩・・・」は、
猫があたかも人間のように
考え、振舞う事の妙味が
面白さの源泉にある。


本作は間逆である。


主人公の「チビ猫」は、
人間の世界を覗き、
人間のように振舞っているつもりだが、
その実、彼女の動きや愛らしさは、
「猫」そのものである。


そして、その世界は、
「少女の夢の世界」ともいえる。


「チビ猫」の目を通して覗いた幻想的な世界と、
「少女」の目を通して覗いた夢の世界が、
これほどまでにシンクロする事を、
作者がどこまで想定して
描かれた作品なのかはわからない。


ただ、その妙味があったからこそ、
本作は長らく少女達の間で、
愛され続けてきたといえる。

大島作品が持つこの辺りの「少女感覚」は、
やはり頭一つ抜けている印象があり、
男女の感覚差が変わった現代となっては、
もはや類似した作品は登場しないであろう。


惜しむらくは、序盤の面白さに比べると、
中後期は多少その勢いが落ちるところだろうか。

しかし、目を通すべき古典名作の一つである。

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綿の国星 漫画文庫 全4巻 完結セット (白泉社文庫)

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