つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

ポテン生活

忘れないうちに書いておく。
そんな、忘れられてしまうような薄さと、
必ず読んでいた面白さの両立。
それがポテン生活

断言するが、作者「木下晋也」は天才である。


当時、MANGA OPENが本作に大賞を与えたときに、
その審査員の慧眼に恐れ入ったが、
本作の内容にはさらに驚かされた。


これほど不思議な視点の4コマ(8コマ?)マンガを
描ける作者はまずいない、というかいない。


誰にでも描けそうな
マンガ界最底辺の画力でありながら、
誰にも描けないマンガを描くのだから恐ろしい。


また、一貫して作風に変化が無い点もスゴイ。
普通、新人の連載にはもう少し揺れ幅があるものである。


けれども、本作にはそれがない。
一貫して「ポテン生活」である。


類似の連載としてモーニングには、
「OL進化論」という遺産があるが、
あちらは、ベースとなる話がある程度、
「世の中のあるある話」で構成されているので、
テンションが一定なのも理解できる。


しかし、ポテン生活は違う。
誰も思いつかない視点で、
低いテンションと面白さを保ち続けたのだ。


約4、5年の連載だったが
毎週楽しませていただいた。


作者に、お疲れ様でしたとお伝えしたい。

ちなみに連載時の変形8コマと
WEB版の縦長8コマだと、
WEB版はマンガとしての面白さが
激減するのが凄い。

マンガというものが
一枚のページの中に時間の進み方すら
再現している芸術である事を、
再認識させられた瞬間であった。


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