今なお昔と同じテンションを保ち続ける、
炎のマンガ家「島本和彦」の衝撃のデビュー作。
マンガ家が持つオリジナリティは
そのデビュー作に色濃く顕れると考えているわけだが、
これほど顕著な例も珍しい。
タイトルに恥じず、ひたすら転校を繰り返す主人公と
裏の教育委員会という強引な謎設定。
後に「それはそれ!、これはこれ!!」を筆頭にした
数々の言い訳名言を産みだす事になる謎理論。
本人達が至って真面目にバトルしているのに、
はたから見るとギャグにしか見えない謎展開。
とにもかくにもマンガ的に圧倒的な
実験力に満ちたギャグマンガである。
後半はやや空回りしている部分もあるが、
全体的に見て、類を見ないオリジナリティと
考えてよい作品だろう。
既に第一巻発売から30年が経過しているので、
未読の方は多いかもしれないが、
島本和彦ファンであれば抑えるべき傑作である。
幻の必殺技「暗黒流れ星」が読めるのは
島本先生だけである。