作者よしながふみの
「美味しいもの好きの才能」と
「キャラクターの心理を掘り下げる才能」
がいかんなく発揮されている本作。
短い巻数ながらも物語全体に無駄がなく、
濃いキャラクターがそろう洋菓子店の日常を楽しく描いている。
そんな中、オーナーがなぜ洋菓子店を始めたのか、
その理由を描いた骨太な部分が少しずつ描写されていき、
最終話付近で見事な集約を迎える。
ラストシーンの描写は
言葉で表現するのが申し訳ない出来栄えで、
セリフではなく絵の使い方で
物語を描いた稀有なシーンだろう。
数多の漫画を読んできたが、
間違いなくベスト5に残る名シーンだった。
一つだけ注意点としては登場人物にゲイがいる為、
その辺りに関してだけは抵抗のある方がいるかもしれない。
しかし、それだけで拒否してしまうにはあまりに勿体無い。
傑作である。
西洋骨董洋菓子店 (全3巻セット) (ウィングス・コミックス文庫)
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 文庫
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