(2012年評)
3D彼女完結なので、
那波マオ作品レビューを。
完成度の高さでは、
「彼女ができたから。 」の短編、
読んでいての楽しさでは
「姫ママ!」等がお勧めだが、
挑戦しているテーマの難易度では
本作が一番面白い。
初めてつきあった彼氏にふられて、
やけになって飲んだら次の日に、
別の男の家のベッドで目を覚ます。
続きが気になるコメディ的な序盤の展開から、
徐々に物語のテーマは深まり、
最終的には、愛情というものの
かなり深い部分を描こうとしている。
また、キャラクター描写等も色々挑戦している感があり、
この辺りの作品から徐々に作風が固まっている
感じがある。
惜しむらくは、非常に難しいテーマゆえに、
掘り下げかたが若干不十分に感じた点だ。
この作者の才能なら、
もう一歩先に行けたのではないか、
という気がしてしまう。
相変わらず「那波マオ」作品に期待してしまうのである。
早く3D彼女の次の作品が読みたい。