オリンピックシーズンだったので。
数少ない体操マンガ。
その中でも有名作品といえば
やはり本作だろう。
主人公藤巻は、逆上がりもできないような素人。
しかし、次第にその才能を開花し
物語の舞台はオリンピックにまで広がっていく。
まさに王道少年マンガ。
少年の成長物語はテンプレート的に見えるかもしれないが、
純粋な面白さに溢れている。
また、体操という一見地味な作品を、
これだけの長期連載に仕上げられたのは、
偏に、登場人物たちの魅力からだろう。
原作は金メダリストの森末慎二。
世界の頂点を取った男自身が、
競技の為の体操ではなく、
「楽しい体操」を目指すマンガを描いたという点は、
非常に興味深い点である。
今は絶版扱いになってしまったのか、
マンガ喫茶やKindle等でしか読めない作品かもしれないが、
体操に興味がある人は、一度は目を通すべき。
番外編一冊にも、わずかながらその後の物語が収録されているので、
そちらも併せて読まれたし。