(2012年評)
高河ゆん作品とは思えない雰囲気だが、
子供モノが好きな方にはお勧めしたい。
自身の経験を踏まえながら描く、
母と子供の日常物語。
昨今のエッセイ系のマンガではなく、
キャラクターも物語もいかにも
フィクション的な要素を加えて創られているが、
随所に現れるエッセンスは、
作者の感性を顕しているなぁと思える良作。
ただし、面白いかどうかは、
子供がいるかどうかにも
随分左右されるのではないだろうか。
子育ての現場は確かに、
ここまでフィクション的でもないわけだが、
マンガ娯楽として楽しむには、
この程度の割合が丁度良いのかもしれない。
作者の持つ子供への愛情の目線が
作品内に溢れていて、
母親をしていたのだなぁ、
と感じさせられる作品である。