つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

MW

まさにピカレスク作品と呼ぶに相応しい
巨匠の異色短編。

それが本作である。

主人公は牧師と銀行員の二人の男性。

若き日に沖縄の離島で一夜を過ごした二人は、
翌朝、全ての住民が死滅するという惨劇に巻き込まれる。

しかし、それらの事実は時の政府にもみ消されて。。。


「社会風刺」、「同性愛」というテーマを交えながら展開する
本サスペンスは、今読んで面白いのだから、
70年代のマンガとしては明らかに早すぎたのだろう。


また、特にラストが出色の出来栄えで、
少年の為のマンガを描いていない事が伝わってくる。


明らかにマンガを大人の娯楽に押し上げようとする
意志が感じられる。


手塚治虫が今なお、
マンガ界の巨人として語り継がれる所以は、
このあたりの創作の幅広さによる部分が大きい。

大人になってからこそ読むべきマンガである。

ちなみに猟奇的な内容が嫌いな人には、
全くお勧めできない作品である。

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