つれづれマンガ日記 改

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おとりよせ王子飯田好実

おとりよせで美味しいものを楽しむ。

ただ、それだけを一点突破で描き続けた本作も、
最新7巻で無事完結。

若干コミュ障で、お取り寄せだけが趣味の主人公が、
ひたすらお取り寄せグルメを楽しむという内容は、
マンガとしてのクオリティは置いておいて、
新ジャンル開拓という意味では
成功した作品ではないだろうか。

実際、この作品の肝は、
紹介される「お取り寄せ商品」のクオリティが全てである。

一風変わっていて、それでいて美味しさんも兼ね備えている商品を、
これだけ描き続けたリサーチ力は凄い。
恐らく、このマンガに影響されて、
お取り寄せをした人も確実にいただろう。

その意味では、「ゆうきまさみ」がかつて妄想した、
マンガの中でCMを実施する
というスタイルが具現化した作品なのかもしれない。


前述のとおり、マンガ作品としては、
食品を美味しそうに描く画力を除いて、
ストーリー、キャラクター、展開共に
平凡であり、特筆すべき点はない。

それでも、この作品に惹かれて
実際にお取り寄せをした人が
多数いたであろう影響力を考えると、
なかなかに侮れない、新時代のマンガの一つだった。

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