巨大な虫になる奇病「カガステル」を発症した
人類の世界を描く、ファンタジー作品。
昨今、流行りの謎の設定と、
世界の秘密パターンではあるが、
キャラクター設定やテンポ・画力等は十分。
人気が出て引き伸ばしになってしまう作品と違い、
全7冊で完結している点も良い。
欠点をあげるとすれば、
王道かつ平均点すぎたところだろうか。
王道作品は面白いのだけれども、
キャラクター・ネーム・画力・構成
何かで抜群の箇所がないと、
作品として淡々と終わってしまう弱点になる。
そして、残念ながら「設定」は、
王道作品の後半の面白さを支える道具にならない。
人間が虫になる奇病と、それを狩る人間の間に流れる
「哲学」がもう一段階深ければ、
さらに高い名声を得た作品になっただろう。
しかし、COMICリュウは、
雑誌としての独自性を高めつつあると感じているこの頃である。