スピリットサークルも
全6冊でついに完結である。
「水上悟志」お得意のファンタジーに、
輪廻転生というテーマを加えた不思議な作品。
主人公が7つの人生を渡りあるくという
そのあまりの構成の難しさから、
なかなか連載で追うのは困難な作品だったが、
無事完結してくれて嬉しく思う。
しかし、物語としてはやはり、
4巻のピークを越えられなかった。
というか、未来を舞台にした
4巻の設定と展開は圧倒的であり、
近年、あれを超えるSFは読んだことがないレベル。
これだけの為に読む事をオススメしたい出来栄えである。
その為に、その面白さのピークを越えられなかったのは残念。
また、もう一つの問題として、
最後まで主人公とヒロインは、
心の底から敵同士にはなれなかった。
それ自体は物語の根底を支えているギミックなので、
仕方ないわけだが、それ故に、
「惑星のさみだれ」に比べると、
最終戦の緊迫感が生み出せなかった。
しかし、これだけ複雑な物語を
綺麗にまとめあげた腕前はさすがであり、
十二分にオススメできる作品なのだが、
天下の「水上悟志」なので、
やはり今後への期待も含めて低めの評価とした。
是非是非、また次回作に期待したい。
スピリットサークル コミック 1-5巻セット (ヤングキングコミックス)
- 作者: 水上悟志
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2015/08/29
- メディア: コミック
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