本作は、リアル嗜好の強くなった現代においては、
残念ながら評価の難しい作品である。
しかしながら、オグリキャップ等の活躍による
競馬ブーム発端の時代に、
少年マガジンというメジャー誌の一角で、
今まで日の目を見なかった競馬というジャンルが、
長期連載されたことは評価すべき事だろう。
内容的には、少年と愛馬のスポ根成長物語である。
これでもか、というほど続く主人公達への逆境と受難は、
当時の努力系マンガの最たる展開であり、
今冷静に読んでしまうと些か興ざめしてしまうかもしれない。
ただ、当時の少年誌の展開としては、
正しい内容だった。
最終章となる海外GⅠ編が最もスポ根であり、
作中における最も盛り上がるレースを最後に描いている点は、
物語としては成功している。
作者「本島幸久」の大出世作であり、
現在までの一番のヒット作だろう。