現在、ジャンプで最も熱く面白い作品。
しかも、その面白さのターニングポイントになったと思われる
第8巻がついに発売とあっては即購入せざるをえない。
連載を読んでいてつくづく思うのだが、
やはりマンガ連載には旬というものがある。
もちろん「こち亀」や「ゴルゴ」のような短編方式を取れば、
ある程度の長期連載は可能なのだが、
ストーリー形式の作品となるとそうはいかない。
先週あたり、ワンピースと鬼滅の刃のバトル展開が重なっていたのだが、
正直、ワンピースが失ってしまったものは大きいと感じた。
そして、その違いこそが恐らく
ストーリー漫画の寿命というものなのだろう。
先に断わっておくと私はワンピースの大ファンなのだが、
それでも、最近のワンピースの低迷には厳しいものがあると思っている。
その原因の一つが、長期連載に伴うバトル展開のマンネリ化なのだろう。
ワンピースでは最早、闘って死線をくぐり抜ける事が既定路線になってしまっており、
以前のようにバトル展開に盛り上がることができない自分がいるのである。
反面、「鬼滅の刃」は今が旬。
特に、第一話から陰惨な修羅場を迎える本作は、
いつどんな展開を迎えるかわからない不安定さを持ちながら、
その儚さゆえに読者の共感を煽るのである。
また、そんな陰惨な中でも、前を向いて正しい道を歩こうとする
主人公の王道さ。そんな側面にも大きく魅かれるわけである。
思い返せばワンピースが大きく読者の心をとらえ始めたのも、
9巻前後の時代であり、ナミを取り返す闘いは
今でも名シーンの一つとして語り継がれているわけである。
そして、今巻「鬼滅の刃」は名シーンを創った。
どこまで伸びるかわからないが、
この作品の先行きが楽しみでならない。