現時点での モーニングで連載の中では、
かなり上位で気にいっている本作がついに単行本に。
28年前に発生した小学生無差別毒殺事件の犯人
「佐野文吾」
主人公「田村心」は、
今でも冤罪を訴える佐野の息子として、
息を潜めて現実を生きている。
しかし、とある契機をきっかけに、
佐野の冤罪の可能性を追って殺人現場に辿り着いた
彼を待ち受けていたのは、
28年前の小学校の現場だった。
タイムスリップと殺人の組み合わせは、
「僕だけがいない街」で使われた設定ではある。
しかし、掲載雑誌と作者「東元俊哉」の
落ち着いた作風が功を奏して、
全く持って違うタイプの本格サスペンスとして
楽しめる仕上がりになっている。
タイムスリップ系の作品は結局のところ、
現代に戻るか、過去が変わるかといった結末しかないため、
最後の落としどころが難しいジャンルなのだが、
それでも結末が気になって読まされてしまう
鉄板ジャンルの一つなのだろう。