つれづれマンガ日記 改

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ペリリュー 楽園のゲルニカ

 

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

 


戦争ジャンルは水木御大の作品しか、
基本は読まない事にしている。

過剰なイデオロギー色や、
お涙頂戴の演出に頼り過ぎる作品が多いので、
マンガ作品として楽しめないのである。

しかし、「武田一義」作となれば、話は違う。
即座に購入してしまった。

作者自身のガンの闘病生活を描いた
さよならタマちゃん」は、
近年屈指のエッセー作品である。

そんな死の淵をさまよった作者の描く、
戦争世界ということで、やはり
非常に面白い作品に仕上がっている。


闘病の後遺症でシャープな絵柄が描けなくなった
作者の丸い絵柄で、戦争ジャンルがどこまで描けるのか、
不安もあったが、杞憂であった。

序盤の日常から戦争への変遷が、
丸い絵柄ながらも見事に描けており、
改めてマンガは画力だけでない事を思わされる。

長く続くべき作品ではないので、
綺麗に完結してほしい。
水木御大が読んでいたら、どんな感想を述べていたのか、
そんな事を思わされる作品だった。