無目的に北海道の牧場に流れ着いてしまった、
高校生主人公が牧童として成長していく物語は、
全26冊と作者「ゆうきまさみ」の最長巻数作になっている。
当時、競馬人気が今よりずっと高かった背景を考慮しても、
一人の主人公の人生の流れを
ここまでゆったりと連載させたのは異例だった。
その意味で本作は、単行本で通して読んだ方がずっと面白い。
まさに作者のキャッチフレーズ「異端にして王道」の作品であり、
そんな自由な連載を許した90年代少年サンデーの、
圧倒的な雑誌力を感じさせられる作品である。
また、当時では珍しい少年誌での性描写も特徴だが、
そこは競馬という親から子へ受け継がれるジャンルを扱う以上、
必然的な描写だったともいえる。
ともあれ、大人になってから読むほど、
味わい深く感じる作品であり、
読み返してみる事をオススメできる名作である。
実際のところは、
牧場経営はここまで楽観的でもなく、
負の側面も多々あるわけだが、
マンガとして読むにはこの程度の塩梅が丁度いい。
そして、そこを外さない作者だからこそ、
これだけ長期にわたって活躍し続けているのだろう。
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- 作者: ゆうきまさみ
- メディア: コミック
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