ゼノンも随分冒険したな、と感じていた作品だったが、
あえなく全2冊で終了。
正直、作品のテーマとしては近年では抜群だった。
主人公が38歳。アラフォーだけに限定された
女5人のシェアハウス生活という設定に魅かれる。
昨今、女性マンガの主人公は30代も多くなってきたが、
40歳近くを中心に描いている作品は、やはりまだ少ない。
おひとり様の老後という、
非常にセンシティブな内容を扱っており、どこに落ち着けると、
マンガとしてハッピーエンドを迎えられるのか、
非常に続きが気になっていたが、2巻の出来栄えを見る限り、
完全に打ち切りで残念である。
テレビ出身の脚本家が原作付きという点でも珍しい作品だった。
そういった様々な背景を含めて連載を開始した
最近の「ゼノン」の勇気を買っていたわけだが、
残念ながらゼノン読者層が追い付けなかった感がある。
大人向け女性漫画誌か、
少年誌系であればモーニングあたりであれば、
もう少し延命して話題になれたかもしれない。
漫画としての全2冊の評価は、決して褒められた内容ではないが、
今の時代に、このテーマを描いたという意味では、
先見性のあった作品として、後世で評価されるだろう。