(2012年評)
商店街に暮らす男女6人の幼馴染達が巻き起こす
青春ラブコメ作品。
作品的には至極王道。
良くも悪くも、予想を覆すような展開はなく、
予定調和的に物語は進んでいく。
だが、そこがいい。
マンガには読むタイミングというのがあって、
この類の作品では物足りない時期もあれば、
穏やかさに癒される時もある。
実のところ、
この手の読んでいて心地よい作品を描くタイプのマンガ家が、
最も長続きするのだと個人的には考えている。
本作を読んで思い出されたのは、
なかじ有紀の「ハッスルでいこう」だ。
男女6人、青春ラブコメで、嫌な展開がない、とくれば
まさにである。
あの作者も、何か大ヒットがあるか、と問われると難しいが、
長命のマンガ家である。
結局のところ、この手の作品が描けるかは、
作者の資質に頼る部分が大きく、
所詮、「マンガ家」のような自身を表現したい業の深い
人間性の人には、案外難しいのだろう。
読んでいて心地よい作品である。
全10冊。たまに眺めるのに丁度よい。
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