つれづれマンガ日記 改

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タッコク!!!

(2012年評)

不思議な響きのタイトルだが、
その正体は、
「卓球告白法」

好きな相手に卓球を申し込み、
その勝負に勝てば相手と付き合えるという
法律が出来た日本での物語である。


まぁ、さすが福地翼
あの能力バトルマンガ全盛の時代に、
「ゴミから木を作る能力」で
サンデーに殴りこんできただけの事はある。

そんなふざけた設定のもとで、
両思いなのに恋人になれない、
主人公2人を中心に、
全6冊、思う存分遊び倒し、
最後はとんでもない伏線を回収して、
ラストに至る。

本当に良い意味での
バカマンガである。

しかし、今回驚かされたのは、
ベテラン作家の技量についてであった。

丁度最近レビューした、
「四稲家の人々 」も全6冊。
現代に忍者がやってくるというトンデモ設定で、
最終巻付近から大掛かりな伏線を回収。

やろうとしている事は似ていたが、
その読後感は随分と異なるものだった。

「四稲家」が後半になるにつれて、
作品への違和感が増えたのに対して、
「タッコク」は、序盤こそ若干の違和感があるものの、
ラストにおいては、むしろその違和感を逆手にとって
大掛かりな伏線回収に成功している。

無論、新人作家を、アニメ化も果たしたマンガ家と
同位置に並べて論じてはいけないのだが、
やはり一つの連載を乗り越えたマンガ家の力は
大きいのだなぁと思わされたのであった。


とりあえず、何も考えずに楽しむのに適した
作品である。

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