(2012年評)
最近久しく出会わなかった、
素直に面白いと思えた作品。
「町でうわさの天狗の子」<で
一躍ブレイクした感のある岩本ナオだが、
本作も劣らず素晴らしい出来栄えだった。
故郷の村役場に就職した主人公銀一郎だが、
村に若者は3人しかいない状態。
役場の観光係に任命され、
自分の田舎の良さを広めたくて、
色々なイベントを開こうと試みるが。。。
しんみりとしたノスタルジーに浸らせられる本作は、さぞかし郷土愛に溢れた作者が描いているのかと思えば、あとがきを読むかぎり違うようだ。
割とドライなスタンスで作品を描いている。
けれども、読者が
「田舎に帰りたくなった」
というファンレターを送るそうだから、その影響力は本物だ。
施川ユウキのエッセイの時にも感じたことだが、本質を知る人は、案外に物事を冷めた目で見ていて、故に、俯瞰が可能なのかもしれない。
なんにせよ、一読者としては大変楽しめた。
素直に田舎への幻想を広げて読む事をお勧めしたい。
こういう素朴で面白い作品に出会うのは大変うれしいものだ。
雨無村役場産業課兼観光係 1-3巻 セット (フラワーコミックス)
- 作者: 岩本ナオ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/12/15
- メディア: コミック
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