つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

デザイナー

一条ゆかりが「これを描く為にマンガ家になった」
と自負する作品、それが「デザイナー」


本作を読んで感じる感想は、
素直に、「壮絶」の一言だ。

作者が込めた作品への情念が尋常ではない。

主人公の仇とも言える、
デザイン界の女王「鳳 麗香」は、
まさに一条ゆかりなのではないだろうか。

自身のプライドの全てを賭けて、
デザイナーとしての自分の地位を頑なに守ろうとする
その生き様は、凄まじい物がある。

後に一条ゆかり作品に多く登場する、
仕事に全力投球して人生を楽しむ女性像の原点は、
このキャラクターに始まっていると言えるだろう。

また、プライドといった意味では、
まさに最新作の「プライド」の原点もここにあった気がする。


正しい恋愛のススメ」の頃のような、
マンガの技術に満ちた軽やかな面白さはない。


その代わり、これでもか、というほど情熱が詰まっている。

本作のレビューの最後に、
一条ゆかりのインタビューの言葉を載せておく。
この言葉が最も本作を評するのに相応しいからだ。


私、「デザイナー」を10年に1回くらい読み返すの。
あのマンガからは「誰も私に文句を言うな!」
っていう恐ろしいオーラを感じるんですよ。
マンガにはそれがないとダメ。
自分が飽きたらそのオーラは絶対に出せないんです。

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デザイナー (集英社文庫―コミック版)

デザイナー (集英社文庫―コミック版)