つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

AKB49〜恋愛禁止条例〜

最初に断わっておくが、
まったくもってAKBファンではない。


しかし、本作は近年の少年マンガの中でも、
最高峰の一角ともいえるレベルで少年マンガだった。
特にラスト間際は泣かされっぱなしだった。

連載開始当初、マガジンで見かけた時は、
よくあるアイドルとコラボして短命に終わる作品
としか思っていなかった。

しかし、徐々に読み進めるにつれ、
漫画としてのクオリティとシナリオのレベルの高さに驚かされ、
中盤を超えるころにはすっかり、
マガジンの主力として最初に読むマンガになっていた。

読み進めてきて理解した事だが、
AKBグループそのものの仕組みが、
スポ根的で設定が完成しており、
何よりアイドルというジャンルそのものが、
マンガという媒体とマッチしていたことが、
本作の成功要因であったことに気づかされる。

単なるAKBの内輪話ではなく、
それぞれの実在のアイドルを
マンガのキャラクターとして抽象化している点も、
この作品が多くのファンを獲得した背景だろう。

そして、アイドルグループに男が混じりこむという
現実ではありえないファンタジーと、
AKBという、現実なのに若干マンガ的な存在を
巧い具合に融合させたところにこの作品の最大の妙味がある。

最終回の回収も、この中間点を使って
現実にはありえないが、マンガとしては最高に爽快な、
そんな大団円を描いている。


それにしても、秘密を抱える主人公という
根源的な時限爆弾を回収しきった腕前は見事だった。
おそらく、今後数十年レベルで、
このマンガを超える芸能界とのコラボ作品は現れないだろう。

それぐらい、芸能界とマンガのコラボは難しいのだ

作者「宮島礼吏」に敬意を表して、次回作をまた期待したい。

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