つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

DEATH NOTE

2000年代マンガ史の中では、確実に外す事のできない傑作だろう。

個人的に考える「DEATH NOTE」が傑作たる所以は、
「誰でも思いつける作品を描いた」という点につきる。

人間は人生で誰でも一度くらいは、
「呪っただけで人を殺せたら」
「死神の力みたいなものがあれば」
といった妄想をいだくことがあるはずだ。

この手の、「名前を書くと人が死ぬノート」といった設定は、
そういった古典から存在している幻想の一つだ。

そして、それを人間が万が一手に入れた場合どうなるのか、
というのも物語を作る人間なら妄想を掻き立てられるプロットだ。

では、なぜ今まで誰も作品化し得なかったのか。
答えは簡単である。
この能力が強力すぎて、物語が成立しないからだ。

だから、誰もマンガにはできなかったのだ。
けれども、大場つぐみは諦めなかった。
この古典からある設定を、
何とか物語に落とし込むべく考え抜いたのだろう。
その答えが第一巻の、
ノートの持ち主の居場所を特定するギミックなのだ。

あの話を読んだ時、心底震えが来た。
ついに、この古典を
現代のマンガに落とし込むマンガ家が現れたのだ、と。
本気で正面から、
この難解なテーマと取り組むつもりなんだ、と。
後の展開は言わずもがな、である。

第一部までが名作だった
ラストがいまいちだった

色々批判する声も聞こえるが、
やはりそれ以上に賞賛を与えたい。

少年ジャンプでピカレスク的な作品を描き
これだけのヒットを成し得たのだから
快挙としか言いようがないのだ。

長い間、物語作りに関わる人間は、この「死神のノート」
というテーマを作品化する事ができなかった。


けれども、小畑健の画力と大場つぐみの構成力、
二人の力で成し遂げたのだ。

一人では難しいが、
二人なら歴史を変えられた。

マンガ読みは必ず読んでおくべき作品だろう。

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