つれづれマンガ日記 改

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タッチ

もはや説明不要。
あだち充作品の中で最も成功したのが、
この「タッチ」だろう。

以後、あだち充は何度か野球マンガに挑戦しているが、
残念ながら本作を超えれたとは感じられない。

今読み返してみても、
色あせない感動が残る傑作だ。

しかし、残念な点もある。

1つは、最終章のくだりの蛇足感が激しい事だ。

天才バッター新田との最終打席
監督へのお見舞い
南との対話

ここまでの流れは完璧すぎる。
どう考えてもここで終わらせるのがベストだった。

その後に出てきたアイドルキャラは何も意味をなしていない。
せっかくの名作だったのに、この部分が、
クライマックスまでのスピード感を著しく減退させている。

今まで無駄ゴマを効果的に使うことで
演出を成功させてきたあだち充とは思えない、
蛇足展開の挿入だった。

もう一つの減点要因は、
最終対決に弟和也が力を貸してしまった点だ。

新田は最後まで和也と戦いたがり、
和也が力を貸す形で最後の決着となる。

これは、個人的には非常に残念だった。

作中、原田が言うとおり、
「なんでもかんでも死んだ人間のせいにされたら
生きている奴はたまんねぇよ」だ。


後年、アニメ版を見る機会があったが、
この思いは確信にいたった。


アニメ版では、新田は和也のマネではない、
上杉達也と戦うことを望み、
達也は自分の力で最後の対決に臨む。


多少のご都合主義は含めつつも、
最後は自分の力で勝利する。

個人的にはやはりそんな作品に
惹かれてしまうのだ。

しかし、色々ぐだぐだと書いたが、
結論としては本作が、
歴史に残る名作であることは間違いない。

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