つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

c4_長編(15冊超)

無限の住人

作者「沙村広明」の代表作にして、長年、アフタヌーンを支えていた時代活劇。 家族を惨殺された少女「凛」と、彼女の復讐のために雇われた不死の男「万次」の長い復讐の旅路。 とはいえ20年に渡る、あまりの超長期連載に、中だるみ感がなかったとは言えな…

包丁人味平

あまりに懐かしい本作を古本屋で発見して、久しぶりに読了。やはり、この時代は「牛次郎」と「ビッグ錠」コンビの黄金時代だ。 70年代少年マンガの魅力のほとんどが、この辺りの作品に詰まっていると断言したい。 まだマンガにリアリティが全く求められてい…

エースをねらえ!

言うまでもなく70年代を代表する不朽の名作である。本作は、テニスのマンガとして有名であり、主人公「岡ひろみ」の周りに集うお蝶夫人や宗方コーチ等、名キャラクターに囲まれたスポ根マンガとしてのイメージが定着した作品だろう。しかし、全巻を通して読…

A-BOUT!

A-BOUT!に関して書くとすれば、マガジン編集部が本当に勿体ないことをした、という一言に尽きる。 本作は、連載当初こそ勢いだけのバカヤンキーマンガだと思われていたが、そのバカさ加減こそ、喧嘩ヤンキーマンガの命だという事がわかる大傑作だった。特に…

神のみぞ知るセカイ

長期連載作品は、終わり方を見誤るケースが多いが、その手の失敗が少ないといえばやはりサンデーである。その意味で本作は、見事なまでに綺麗な終わり方の作品だった。 ラブコメという、マンガ界最高の競争率を誇るジャンルの中で「ギャルゲー大好きの主人公…

天体戦士サンレッド

溝ノ口発の真っ赤なヒーローの物語も全20巻で完結である。 アニメ化等凡そ想像できないほど、ひっそりとマニアの間だけで読まれていた小規模川崎ギャグ漫画が、ここまで伸びる作品になるとは、作者「くぼたまこと」自身も予想だにしなかったであろう。悪逆主…

北斗の拳

少年ジャンプの文化が良いほうにも悪いほうにも混ざり合った、「武論尊」と「原哲夫」コンビの稀有な傑作。核戦争後の世紀末に、無残に敵を殺す北斗神拳という今見返しても通用する斬新な設定と、ジャンプ王道のバトル展開と爽快感。 ここで終われば不朽の名…

天才バカボン

誰もが知っている有名作品だが、その序盤があまり面白くない事は意外と知られていない。 連載初期のバカボンは、正直それほど面白くない。パパも常識人だし、ギャグもそこそこだ。 ただ、中盤以降、段々と作者の頭がおかしくなってきた頃からの面白さは凄い…

SHADOW SKILL 影技

24年である。完結まで24年。途中何度となく連載雑誌が休刊になり、流石にもう完結は無理かと諦めていたが、結局24年かけて完結させてしまった。まさに修練闘士(セヴァール)並のしぶとさである。 しかし、それだけ雑誌を変えても本作が続いていたのは、やは…

輝夜姫

「清水玲子」の描く世界の美しさを楽しむ為だけにある、といって過言でない作品。序盤のヒキは相当なもので、かぐや姫伝説と、その生贄に、沖縄の孤島で育てられた子供たちというミステリーサバイバル形式の展開に吸い込まれたが最後、読めば読むほど、不可…

いいひと

「高橋しん」の出世作。 スポーツメーカーの「ライテックス」に就職を希望する主人公の「北野優二」。 彼の特徴は「いいひと」であること。そして、現実のサラリーマン社会ではこの特徴が周囲とのギャップを見せることになり。。。 どこまで計算されて作った…

魔法先生ネギま!

本作は、明らかに当時の赤松健の最高傑作だった。 当初連載が始まったときは、著しく嫌悪したこの作品。クラスメイト全員がヒロインなどと、商業主義もいい加減にしてほしいものだ、と感じた。 しかし、読み進めてみると、意外に、いや想定外に面白かったの…

とっても!ラッキーマン

十週打ち切り。それは、少年ジャンプにおける名誉の戦死。 およそこのレベルになると、第一話を読んだ時点で、続かないな、とわかる。 そして、その読みが外れることは殆ど無い。 けれども、多くの読者が長期連載や映画化を予測できなかったであろう偉大な作…

げんしけん 2代目

昨日に続き、げんしけん10巻から21巻までで展開される二代目の物語だが、やはりファーストに比べると、何とも評価が難しい。どうしても二代目は、煮詰まっている感じが高すぎて、「げんしけん」が得意としていた、エンターテイメントの要素が弱い。 あれ…

げんしけん

二代目完結記念という事で、まずは初代の感想から。 現代視覚文化研究会略して「げんしけん」と呼ばれるオタクの大学生が集まるサークルでの日々を描いた超有名作品。 オタクの世界の楽しい側面と、オタクの世界の恋愛事情という2つのテーマを全9冊で完結…

MASTERキートン

言わずと知れた「浦沢直樹」「勝鹿北星」コンビの最高傑作。 個人的には、ある程度以上の年齢の方に、「面白いマンガは何?」と尋ねられれば、必ず答えるのはこの作品である。 はっきりいって桁違いに面白い。 このレベルになると、マンガは子供の娯楽を通り…

自殺島

努力の天才「森恒二」がまた名作を残してしまった。自殺を試みる人間の扱いに困った政府が、自殺者を島流しにする島 「自殺島」最近の凡百の作者ならそこから、くだらないバトルロワイヤルや、仕掛けだらけで先が見えないミステリーを展開するところだが、や…

EIGHTH

「河内和泉」の描く、SFアクション作品。バイオテクノロジーの研究所に所属するガードの主人公が、不思議な能力を持つヒロインをガードする事から始まる物語。あくまで遺伝子工学や医療研究といった「舞台」を元に展開するアクション作品なので、その辺りの…

あまいぞ!男吾

「Moo.念平」の唯一無二の、そしてコロコロコミックの歴史に残る少年マンガ。 それが、「あまいぞ!男吾」だろう。 オークション等でプレミアがついた存在としても有名な作品かもしれない。 低学年少年マンガというジャンルは非常に難しい存在だ。 小学…

GS美神 極楽大作戦!!

連載開始から25周年という事で、文庫版が刊行されている時の流れに驚きを禁じ得ない。90年代序盤に颯爽と登場した、言わずと知れた「椎名高志」の大出世作。 バブルの世相をよく反映した主人公美神と、ゴーストスイーパーという舞台は見事な組み合わせだっ…

ミスター味っ子

「寺沢大介」の路線を決定付けた作品。 当時いくつかあった料理マンガの中でも、本作が流行したのはやはり、「天才少年料理人」という主人公味吉陽一のキャラクター設定だったのだろう。 また、それまでの奇抜な料理手法を得意とする料理マンガ群よりも、少…

JIN―仁―

幕末の時代にタイムスリップする、現代の脳外科医、南方仁。 現代の医学の知識と江戸の病を描いた本作は、まさに設定の妙が光る作品だ。 医者モノと、幕末モノはどちらも沢山の作品があるがそれが組み合わさると、前後に類がない作品になるのだから、まだま…

正直侮っていたのが、この「岳」という作品だ。 山マンガの最高峰はやはり「神々の山麓」である。そこは譲れない。 それに比べると、この「岳」というマンガは、どうも軽い気がした。 特に、超人的な主人公「三歩」の存在が、山というものの偉大さ、恐ろしさ…

ナンバMG5 ナンバデッドエンド

チャンピオンの常連「小沢としお」といえば、やはり「フジケン」だが、本作も相当面白い。 筋金入りのヤンキー一家に生まれて、関東制覇した兄貴のように、全国制覇を両親から期待される主人公「剛」。 けれども、彼は中学のころから、ケンカばかりに明け暮…

医龍

世に医者マンガは数多あれど、この切り口で描かれた作品はなかった。 それが「医龍」である。 主人公「朝田龍太郎」天才的なオペの手腕を持つ外科医だが、日本の大学の医局に嫌気が差し、世界の舞台で活躍していた男。 そして、そんな奔放な男を、自分の夢=…

こちら葛飾区亀有公園前派出所

マンガに関するブログを書いている人は、今日はみな「こち亀」について書くのではないだろうか。連載40周年200巻にて、ついについに完結してしまった。私がこれから死ぬまでの間に、この記録を超える作品は恐らく出ない。それくらい歴史的な偉業に立ち会って…

アイシールド21

連載初期にこれほど期待させられたジャンプマンガも近年なかった。 それほどまでに、傑作の予感を感じさせた本作も終わってみればただの凡作だったのが、返す返すも悔やまれる。 作画の成長に対して、原作者の力量が追いつかなかったのが敗因の一つだろう。…

ガンバ!Fly high

オリンピックシーズンだったので。数少ない体操マンガ。その中でも有名作品といえばやはり本作だろう。 主人公藤巻は、逆上がりもできないような素人。しかし、次第にその才能を開花し物語の舞台はオリンピックにまで広がっていく。 まさに王道少年マンガ。…

らんま1/2

うる星やつらで磨かれたショートギャグと、めぞん一刻で発揮されたラブコメの2つを混ぜ合わせただけでも凄いのに、そこにバトル要素も加えたわけだから、この作品が売れないわけがなかった。 しかし、売上面で「高橋留美子」最高の結果を残した本作が、マン…

コータローまかりとおる!

最後のシリーズが連載中断となり、 早十数年が経過してしまった為、昨今のマガジン読者には、未読の方も多いかもしれない。 しかし、本作「コータローまかりとおる!」は、マガジン史上において外せない名作である。 全59冊は、なかなかの時間を要する大作…