つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

c3_中編(15冊以内)

あすなろ白書

「柴門ふみ」が描いた最も壮大な実験作。 それが「あすなろ白書」に対しての素直な感想だ。 作者が最も描きたかったテーマを描いた故に、そのテーマに翻弄された作品。 主人公「なるみ」の女性としての描写に関しては、文句の付け所が無い。 この時代に、女…

からん

好んで読んでいたレビューサイトで以前、 「からん」が物凄く良いところで終わってしまった… と書いてあるのを見て以来、読みたくもあり、打ち切りが悲しくもあり読めなかった作品。 ついに読んでみたが、大変惜しかった。これは素晴らしい作品だった。 そも…

サイコドクター

人の心の病巣を描いた傑作。 カウンセラー楷恭介の元には、様々な心の病気を抱えた患者が訪れ、サスペンス色を含みながら物語は展開する。 マンガ的な演出が過剰ではあるが、心理学を学んでいるわけではないので、娯楽作品としてはこの方向で正解だっただろ…

山賊ダイアリー

いつものように発売即日購入して、いつものように楽しんでいたら、どうも趣が少し違う。特に巻末付近の雰囲気が切なく、山賊ダイアリーに相応しくないまさかの見開き。はい、間違いありません、最終巻でした。物凄く好きなシリーズだっただけに、非常に衝撃…

僕はムコ養子

大財閥の竜神家の娘と結婚して婿入りした主人公。 しかし、新婚旅行の翌日に、竜神家が破綻して、残ったのは、本家の義母と義姉2人を狭い一軒家で支える生活。マンガならではの現実離れした設定だが、それゆえの面白さもある。 物語自体は、ムコ養子がいじ…

綿の国星

「大島弓子」の定番の作品。 主人公の「チビ猫」は、可愛い子猫。けれども、その容姿は、マンガの世界では少女の姿をしており、彼女の視点を通して、世界は物語られる。 最初に読んだときは、「我輩は猫である」かと思ってしまった。 けれども、よくよく読ん…

ポテン生活

忘れないうちに書いておく。そんな、忘れられてしまうような薄さと、必ず読んでいた面白さの両立。それがポテン生活。 断言するが、作者「木下晋也」は天才である。 当時、MANGA OPENが本作に大賞を与えたときに、その審査員の慧眼に恐れ入ったが、…

炎の転校生

今なお昔と同じテンションを保ち続ける、炎のマンガ家「島本和彦」の衝撃のデビュー作。マンガ家が持つオリジナリティはそのデビュー作に色濃く顕れると考えているわけだが、これほど顕著な例も珍しい。タイトルに恥じず、ひたすら転校を繰り返す主人公と裏…

花咲ける青少年

樹なつみ作品はどれも面白いが、個人的に挙げさせてもらえば、やはり本作をお勧めしたい。 残念ながら「樹なつみ」はレビュー泣かせのマンガ家だ。 その独自の世界観と設定により類似した作品が少ないので、説明が大変難しい為だ。 しかし、それにしても本作…

はなまる幼稚園

幼稚園と園児を舞台にした作品。主人公の園児「杏」は、保育士の土田先生がお気に入りで、彼に気に入られようと頑張るのだが、土田先生は同僚の山本先生が気になって。。。 萌え系に該当するのか、コメディに該当するのかそこらへんは難しいところだ。 しか…

虹色とうがらし

あだち充作品は、確かにどれも似たような顔と似たようなキャラクターである。 特にタッチ以後は、長期連載はあっても大傑作はつかめていないのが実情だ。 しかし、ひとつだけ推しておきたい作品がある。それが本作虹色とうがらしだ。 日本の江戸時代に似た、…

神風怪盗ジャンヌ

「種村有菜」の最大の出世作。 他の作品はいまいちだが、この作品は好きというご意見が多い。確かに本作は、作者のイズムがまだまだ少ない新人時代の良さが表れている。 本当に純粋に、作者が少女マンガを楽しんで描いていることが、あとがきや柱書などから…

神聖モテモテ王国

サンデーと言えば、週刊少年誌で最も優等生な作風である。 それ故に、異端の作品は少なく、全体的にこじんまりとした作風が集う欠点を持つ。 そんな連載陣の中で圧倒的な異端児ぶりを見せつけ、サンデー史にその名を残したのが本作である。 漫画家達の間でも…

87CLOCKERS

「のだめカンタービレ 」で売れたからとはいえ、ここまでマニアックな企画が通るものなのか。のだめ以前の「二ノ宮知子」であれば、明らかに描かせてもらえなかったであろう作品。大御所の力恐るべしである。 テーマは「オーバークロック」 意味がわからない…

喰霊

霊が視えてしまう主人公は、偶然のきっかけから、体の中に霊獣を宿す少女と出会い、悪霊との戦いに巻き込まれていく。 作品設定自体は、よくある内容だが、物語のテンポ、キャラクターの動き、バトルの描写等のセンスが非常に高い。 絵が飛びぬけて上手いと…

昭和元禄落語心中

落語をテーマにした異端の本作も全10冊でついに完結。半端なヤクザ者の主人公「与太郎」と芸事を極めた師匠「八雲」の二人の掛け合いを楽しむ序盤の面白さは圧倒的で、新時代の落語マンガの登場を思わせた本作だったが、最終的に、想像以上に少女マンガに落…

藤子不二雄Aのブラックユーモア

いわゆるA氏のブラックユーモア短編集である。 「まんが道 」の回でも評したとおり、A氏のブラックユーモアは、人間の負の感情をストレートに描いており、大変面白い。ショートショートとして見てしまうと、その奇抜さ斬新さはF氏の作品が上だが、人間の…

プライド

資産家の娘に生まれ、美貌と美声を兼ね備えた主人公「史緒」と、対照的な育ちながら、野望と策略でオペラ歌手になる夢を果たそうとする、もう一人の主人公「萌」 タイトル「プライド」の通り、二人の女性のプライドを交えながら、それぞれの人生を描く作品。…

未来日記

未来が見える12人の日記所有者による、世界を賭けたバトルロワイヤル。 マンガとはいえ、登場人物が次々と死ぬ描写が続出するので、その手の話が苦手な方は避けたほうが無難だろう。 ただ、良くも悪くもそこまでリアル系の画力がある作者ではないので、マ…

冬物語

情けなく優柔不断なキャラクターといえば、本作の主人公が思い出される。 何の目的もないまま、予備校に通い、かわいい女の子に魅かれて東大進学コースを選んでしまい、流されるままに日々は過ぎ去り、二人の女性の間で揺れ動き、結局、どうにもならない自分…

動物のお医者さん

「佐々木倫子」といえば独特な雰囲気のシュールなギャグが売りだが、その中でもやはり本作を推したい。もはや説明不要の有名作。獣医学部の志望者人数を増やすという、社会現象すら巻き起こした傑作である。 ただ本作が、獣医への憧れを全く描いていないこと…

ドージンワーク

同人誌即売会を舞台に、同人誌販売に勤しむ主人公達をテーマにした、有名4コマ作品。 一昔前なら確実に載せられない作品だが、今となっては何ら真新しさを感じないのだから、昨今のマンガの方向性には、末恐ろしいものがある。 オタク系の作風の為、その手…

ジナス―ZENITH―

吉田聡が描く異色の傑作。 死者を6日間だけ生き返らせる「物体」と蘇った死者を殺す、銀色の殺し屋。 およそ他に類を見ない壮大なストーリー構成は、プロット協力ビッグ・オー(長崎尚志)の影響が大きいのかもしれない。 ただ、個人的には浦沢・長崎作品は…

ハチミツとクローバー

駆け出しの新人作家には決して書けない作品を作る、それが羽海野チカの持ち味だろう。 美術学校に通う学生たちの生活を、全体的に軽いコメディとして仕上げているが、全体を通して描きたいテーマは明らかに重たい。 その二面性のギャップが、物語に深みを加…

太臓もて王サーガ

日本におけるパロディギャグの地位は低い。 しかし、パロディの才能として、この作者ほど素晴らしいセンスを見せたマンガ家は近年ジャンプにいない。 パロディは確かに元ネタを知らない人にとってはあまり面白くないジャンルと言えるかもしれない。 しかし、…

サンクチュアリ

面白いマンガに求められるのは絵ではない。 けれども絵の上手さが作品の質を高めるという事は往々にしてある。 本作、サンクチュアリは、「池上遼一」の画力が抜群に冴え渡る一作だ。 残念ながら現在主流のデジタル作品では、本作のテーマ、重みは再現できな…

死神くん

人の魂を管理する死神。 本来であれば、冷酷に人間の寿命を司る存在であるべき死神が、もし非常に人間味あふれるキャラクターだったとしたら? そんな設定のもとに描かれた数々のヒューマンドラマは、今なお色褪せることなき名作である。個人的には人生ラー…

魔法使いの娘

「那州雪絵」健在なり。そう思わざるを得ない傑作。 往年のマンガ読みならば那州雪絵の名前を聞いて浮かぶのは名作「ここはグリーンウッド」であろう。 しかし、かの名作を輩出して以来、彼女の名前を久しく聞かなかったのも事実である。 そこにきて、本作の…

セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん

近年のギャグマンガ家を語るにあたって、確実に外せない人物の一人がうすた京介だろう。 本作がジャンプ誌上に連載されて以来、しばらくの間、マサル的なギャグマンガの投稿が後を絶えなかったというのだから、その影響の強さが伺える。インパクトあるキャラ…

天才ファミリー・カンパニー

実は「のだめカンタービレ 」よりも面白い、と個人的には考えている二ノ宮知子の大傑作。 父親を亡くした事がきっかけで、子供のころから母親と一緒にビジネス三昧の主人公夏木は、ハーバード留学を目指す天才高校生。 だが、ふとしたきっかけで現れた母親の…

ソムリエ

ワインの漫画は最近でこそ多くなってきたが、そのブームの先駆けとなった作品。連載当初は、主人公のキャラクター設定や目的なども今ひとつ明確に定まっておらず、ワインに関するうんちくをストーリーに絡めただけの作品だった。 しかし、中盤以降、レストラ…

銀と金

「福本伸行最高傑作」この作品の紹介は一言で言えばこれだ。 「天」「アカギ」「カイジ」と次々とヒット作を残す作者だが、面白さの密度からいくと残念ながらこの作品の足元にも及ばない。 無論、この作品にも弱点はある。一つは不幸にも、未完の作品だとい…

いでじゅう!

高校時代の部活作品は大きく分けると2種類に分かれる。 一つは、甲子園やインターハイ目指して一生懸命部活を頑張る部活系。 もう一つが、なんとなく学生生活を満喫するのんびり系。 本作品はまさに後者の代表格的な存在だ。 序盤はギャグ中心の展開だが、…