つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

c3_中編(15冊以内)

はだしのゲン

戦争ジャンルを読みたくなって、はだしのゲンを物凄く久しぶりに再読。子供の頃に読んだ中で最も鮮明に記憶に残る作品であり、現在の戦争や平和や左や右に対して少なからず影響を与えた本作だが、物語の序盤、主人公のゲンが家族を失う体験が、作者「中沢啓…

あれよ星屑

戦後の時代を描いて話題になった本作も全7冊でついに完結である。基本的に戦争ジャンルマンガは、どうしても戦争の悲惨さを描く路線に走りがちである。自身が完全な戦争経験者になる、中沢啓治の「はだしのゲン」や、水木しげるの「総員玉砕せよ!」あたりは…

坂道のアポロン

久しぶりに読み返したが、やはり面白い。ここ近年で最高に好きな作品の一つである。 東京から転校してきた線の細い主人公と、暴れん坊で友人のいないもう一人の主人公。 対極的な二人を中心とする青春の物語は、なぜいつもこれだけ面白い素材になるのか。 特…

ワッハマン

奇妙な日常を描かせると右に出るものはいないマンガ家「あさりよしとお」 1万年もの昔、敵を抹殺するために創られた人造人間ワッハマン。 不死の存在である彼は、しかしそのあまりに長い年月故に自分の敵や使命を忘れてしまっていた。 ギャグマンガに見せか…

図書館戦争 LOVE&WAR

「有川浩」の有名な原作小説をコミカライズした本作。検閲により本が狩られる時代、メディアを規制するメディア良化委員会と、それに対して図書館の自治を守る図書隊の対立という、なかなか突拍子もない設定が、ある意味マンガの世界に非常にマッチしている…

SWEETデリバリー

「鴨居まさね」作品といえば、一般的には「雲の上のキスケさん」辺りが有名だが、私は本作が最高傑作だと思っている。 存在感ある大人を描かせたら当代屈指のマンガ家が、オリジナル・ウェディング制作会社という、世にもロマンティックな仕事を描くというこ…

男おいどん

貧乏マンガの原点と言われる本作は、作者「松本零士」の出世作でもある。文庫版最終巻のあとがきでも語られているが、自身の体験した貧乏な時代の鬱屈とした感情を作中で描く事で、当時の若者から絶大な支持を得た本作だが、流石に作品発表から50年ほどが経…

A・Iが止まらない!

近年のハーレム系ラブコメかつ主人公が受け身という流れは、やはり「赤松健」から始まったのではないだろうか。そして、その根底が作者のデビュー作となった本作である。この作品の何が凄いかというと、「PCから自分の理想の美少女が出てきて取り柄がない自…

ボーイズ・オン・ザ・ラン

ある程度有名なマンガの中でも気をつけなければいけないのが、この「花沢健吾」作品である。最近ではアイアムアヒーローの、投げっぱなしエンドで、多くの読者をショックのどん底に陥れたが、この作者が謎を解かなかったり、読者にカタルシスを与えなかった…

疾風の勇人

近年数少ない政治マンガとしては非常に期待していただけに、本作の終了は残念だった。時代背景的にも池田勇人が活躍した頃は、非常に面白い時代なのだが、残念ながら首相の座に辿り着く前に終了という事で、人気がなかったのか、圧力があったのか、この辺り…

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版

年の瀬は名作を、という事で長文である。日本国民にとって不朽の名作を残し続けた藤子先生だが、A氏の最高傑作を「まんが道」とするなら、F氏の最高傑作は本作ではないだろうか。特に、今回紹介するSF短編PERFECT版は、多少プレミアがついてしまっているが、…

バロンドリロンド

競馬マンガというジャンルは、作品数が少ないマイナージャンルなのだが、その中でも知名度が低い本作「バロンドリロンド」女性騎手でGⅠを目指すという目の付け所の良さは、流石に、原作「北沢未也」だけの事はある。反面、女性主人公キャラクターの極端な性…

PON!とキマイラ

近年寡作気味になっていた作者「浅野りん」の初期作品。マンガの基礎レベルがとにかく高い作者なのだが、どうにも代表作に恵まれない傾向がある。本作は、空から降ってきた神獣「キマイラ」を、強欲な主人公「八満」が拾った事をきっかけに神獣の巫女が居候…

フリーキック!

まさに粗削りという言葉が相応しい、大ベテラン「原秀則」の初期の秀作。天才サッカー少年の弟と、うだつのあがらない兄というどこかで見たサンデー設定を使って、代表作「ジャストミート」の 二匹目のドジョウを狙った本作だが、連載自体は、短期間で撃沈。…

放課後保健室

物語、絵やデザイン、キャラクター、構成、オリジナリティ全てが圧倒的に高いレベルで完成されていて、一切の隙がなく全10冊で完結する「水城せとな」の、いや2000年以降における最高傑作の一つがこの作品である。この作品ほど面白さに対して知名度が低い作…

小山荘のきらわれ者

今となっては超ベテランとなる「なかじ有紀」の初期作品である。初出が80年代という事もあって、出てくるキャラクターの服装や生活は古く見えるが、登場キャラクターの華やかさと、平和な世界観はここ最近までの作品と比較しても、全く変わっていないところ…

るくるく

不可思議な作品を描かせれば右に出る者のいない、作者「あさりよしとお」による、不条理日常マンガ。突然やってきた悪魔のお姫様「るくるく」と暮らす事になる、平凡な主人公「六文」。ただし、第一話からいきなり父親が惨殺されるという、あさり作品以外で…

O/A オー・エー

鴨川ホルモー以来、久しぶりに読んだ「渡会けいじ」作品である。ホルモーは原作つきで安定した面白さだったが、本作は作者オリジナルなので、色々期待していたが割と普通の作品であった。今でこそ「波よ聞いてくれ」が登場してしまったが、当時の時点でラジ…

黎明のアルカナ

作者「藤間麗」の出世作となったロマンスファンタジー。黒髪の人間が王族になる世界で、赤髪を持って産まれた王女「ナカバ」は、和平の口実と共に敵国の王子「シーザ」の元に輿入れする事になる。そして、彼女の中に眠っていた、歴史を動かす「刻のアルカナ…

サナギさん

絵が下手という致命傷を抱えながら、独特のセンスでマンガ家の地位を確立している作者「施川ユウキ」の代表作である。主人公のサナギさんがほんわかに、友人のフユちゃんが毒舌を交えて、世の中を眺めるだけの4コマギャグマンガ。 ただ、それだけのマンガな…

888 スリーエイト

全くぶれる事のない、いつもの桑田作品に乾杯。 とはいえ、本作が一つだけ他の作品より優れているのは、そののんびりした連載期間だろうか。 4コマ形式の「だめっこどうぶつ」を除けば、本作スリーエイトこそが、「桑田乃梨子」最長連載。6巻という巻数も…

ここはグリーン・ウッド

やはり「那州雪絵」の代表作として、この作品は外せない。 グリーンウッドと呼ばれる男子高の寮、緑林寮に集った一癖も二癖もある面々と、その群像劇。 特に、中盤に収録されている作品「雨やどり」は、数ある漫画世界の青春描写としても、最高峰の一つだと…

聲の形

「聾唖といじめ」という今まで切り込まれてこなかった、反響が恐ろしいジャンルの読み切りが、圧倒的な人気を得た事から連載になったのだから、日本のマンガ読者のレベルはやはり高くなったのだろう。 ただ、マガジンという少年誌ではやはり、週刊少年誌的な…

鉄楽レトラ

強くは主張しないけれども、自分の描きたいマンガを素直に描く。 そんな感性を感じる作者「佐原ミズ」の描く、男子高校生とフラメンコを描いた青春物語。画力に関しては相変わらず文句なしなのだが、物語としては少し子供っぽい展開も多く、バランスが取れて…

アオハライド

中学生の時の初恋の人「田中くん」に、自分の気持ちを素直に伝えられなかった主人公「双葉」。その後、幸運にも高校で再会できた二人だが、以前とは違う微妙な空気が流れ。。。 タイトルのアオハライドは、「青春(アオハル)」と「ライド」からくる造語だが…

新世紀エヴァンゲリオン

(2015年評)さて、ついについに漫画版が完結した本作である。なかなか書評が難しい作品だが、久しぶりに長文で書いてみよう。 全14冊読み終えて、素晴らしかったと言われれば難しい。これを超える作品はいくらでもあるのでは、と一瞬、思ってしまった。 し…

タケヲちゃん物怪録

良い作品だった。作者がのびのびと描いている事が伝わってくる、非常に良い作品だった。 「とよ田みのる」作品は当然ながらその絵が持ち味であり、良くも悪くもジャンルと作風を限定させてしまう。 その中で、そろそろネタ切れかな、と思っていた時期に発表…

福家堂本舗

人間描写が上手い作者「遊知やよみ」の代表作。京都に450年続く老舗の和菓子屋福家堂。お店を継ぐと思われているしっかり者の長女「雛」。放蕩三昧にすごすが、実は一番お菓子に愛着がある次女の「あられ」。そしてのびのびと育っている三女の「ハナ」。三姉…

NHKにようこそ!

原作「滝本竜彦」の小説を作画「大岩ケンヂ」でコミカライズした、アニメ化もした有名作品。 ひきこもり歴4年の主人公佐藤君は、大学を中退し、無職で人生行き詰まり中。 そんな彼の元に、何故か美少女「岬」が登場し、佐藤君をひきこもり状態から社会復帰さ…

HELLSING

まさに鬼才「平野耕太」にしか描けない傑作。 舞台は20世紀末のイギリス。吸血鬼を狩る王立国教騎士団 「ヘルシング機関」の中に、従属されている伝説の吸血鬼「アーカード」と、その主人「インテグラ」の物語。文字だけ読むと陳腐な設定だが、この作者の手…