つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

c2_短編(5冊以内)

兎の角

女装男子の主人公真白アヤと、ヒロイン天沢イズミの除霊物語。 1巻が出た頃は、もう少し続くかと思われたが、すぐに息切れが始まり、最終的には萌え中心になっているので3冊完結で丁度よかったのだろう。 「睦月のぞみ」名義作品としては最長か。作品発表…

ピーチ・オン・ザ・ビーチ

近年、あまり見かけなかったサーフィンをテーマにしたラブコメ作品。 キャラクター、ストーリー、設定等、特に欠点も無いので、無難に2冊読み終えられる作品。 強いて言うなら、いかにも女性作者らしい作品だという点だが、サーフィンの持つ若干の「黒さ」…

私が妻にしたイタズラ

珍しく電子書籍出身作品のご紹介。本作は、twitterで世の中に知れ渡った、食べても食べても減らない魔法のおにぎりの作者「漢弾地」による日常エッセイマンガである。twitterで見た時から、気になっていたが、作品になっていたことは知らなかったので即購入…

ツレビト

死んだ人間の魂を連れて行く導き手「ツレビト」 生と死の世界の境目を「吉冨昭仁」の画力が、見事に描いた作品。 この異様な空間描写とカメラアングルは、天賦の才能を持った一握りのマンガ家にしか構築できないだろう。 ストーリーも全4冊導入から非常に良…

ラーメン食いてぇ!

「林明輝」は才能あるマンガ家である。 多数の名作を輩出するMANGA OPENにおいて、圧倒的な評価を得て連載を始めた、これだけ才能あるマンガ家でも、簡単に成功する事ができないのがマンガ界の現実。 しかし、本当の才能は世に埋もれないのもまた事…

煩悩寺

変わり者の兄から送られてくる、様々な遊び道具に囲まれたアパートの一室。 煩悩寺と名づけられたその部屋で、無為な日常を送る、小山田君と小沢さん。 時間や金銭から切り離された煩悩寺の空気は、近年の若者生活の一面をある意味正確に切り取っている。 作…

少年三白眼

「こどものじかん」の私屋カヲルが、初期に少女漫画誌で連載していたギャグ作品。それが、本作「少年三白眼」である。三白眼の主人公、ヒロムはその容貌ゆえに友達ができず、涙する日々。そんなヒロムの学園生活を描いたコメディ作品である。 序盤からして、…

おーえど娘忍者

江戸時代を舞台に、呉服屋の娘が忍者修行に励む、コメディ作品。今でこそ特定ジャンルの大御所になった「私屋カヲル」だが、当時は、面白いのだが雑誌の中で所在の無いギャグ枠を担当していたわけだから、掲載雑誌の問題は非常に重要である。作者らしい下品…

モテキ

ドラマ化したという意味では久保ミツロウの代表作になるのだろうか。 デビュー当時から、女性を描かせるとうまかったが、その本能が掲載誌を変えることにより爆発したような作品。 序盤の勢いはすばらしく、モテキという単語を世に普及しただけの事はある。 …

たまりば

多摩川のそばで昼間から遊んでいる、ニートのようなおっさんと女子高生の出会いを描いた本作。川のそばで一目惚れというと、荒川アンダーザブリッジを思い出してしまうが、フィクション系ではない。ただ、おっさんに一目ぼれする女子高生という、わりとあり…

大東京ビンボー生活マニュアル

近年名作が生まれない、けれども必ず蘇ると思われるジャンル。それが、この貧乏生活ジャンルである。 四畳半のぼろアパートで、何をするわけでもなく、何があるわけでもなく。 ただひたすらに、無為な時間と、少しだけこだわりのある生活がつづく。 お金の観…

防衛漫玉日記

(2012年評) ふと思えば、随分と「桜玉吉」の姿を見かけていない。 鬱病マンガの最高峰が、「幽玄漫玉日記 」だとすれば、本作はその日記シリーズの始まりの作品である。 まだまだ、画風、作風共にエネルギーがあふれており、読者の笑いを取ろうという姿勢…

完全版 水木しげる伝

敬愛する水木御大の半生を綴った大傑作。昨今は、「ゲゲゲの女房」等のブレイクで、水木しげるの名前も十分に世の中に知れ渡る事になったが、一昔前の水木しげるの知名度はやはり低かった。 しかし、売れようと売れまいと水木御大は変わらず。 そんな事を感…

自虐の詩

多くのマンガ読みが、侮って読み始めて、そして必ず泣かされる作品。ちゃぶ台返しばかりする亭主関白のイサオ。 そんなイサオに甲斐甲斐しくつくす嫁の幸江。 そんなどうしようもない日々がただただ続く上巻と、読み始めると最後まで読まずにはいられない怒…

いいなりゴハン

「となりの関くん 」の「森繁拓真」が描くエッセイ作品。 強引な姉、東村アキコの七光りを元に、美味しいお店を食べ歩くという作品。 コンセプトと、姉の威光にすがりたいという編集部の気持ちもわからなくはないが、残念ながらいまひとつである。 というか…

緋色の椅子

夏目友人帳の「緑川ゆき」が描く、ファンタジー作品 貧しい村で育った少女セツと、その幼なじみルカ。 しかし、ある日彼の元には王族の遣いが現れ、彼に王位を継がせるべく王都に連れて行く。 再開を誓った二人が、再び王都で出会った時、予想もしなかった事…

港町猫町

一部のファンに大変愛されている作者「奈々巻かなこ」の描く、猫ファンタジー作品。寂しい女性にだけは猫が人間に見える不思議な港町でつづられる猫と人間の物語。ファンタジーと呼ぶには相応しいのだが、絵や物語に、なかなか独特のクセがあり、好きな人に…

あかく咲く声

彼の声が気になり、告白を決意した主人公「佐和」が目にしたのは、その声を武器にして、警察組織に加勢している、クラスメート「辛島」の姿だった。 辛島の声は、独特の響きを持ち、聞く人をその命令に従わせる不思議な力を持つ。 それ故に、彼は普通の人間…

ビストロ・パ・マルの事件簿

小さなフランス料理店ビストロ・パ・マルに訪れるお客と、ちょっとしたミステリー。そして、それを料理を軸にして解決する物語。 敢え無く全2冊で完結。 物語設定キャラ 悪いところは特に無かったが、ぬきんでてよいところも無かった。 昨今の漫画界は、こ…

男の華園 A10大学男子新体操部

桑田作品最終夜 長らく続いた桑田作品シリーズもしばらくお休みとする。 さて、全ての桑田作品の中で、どれが最高かと問われればやはり本作を挙げない訳にはいかない。 桑田作品中、最も気弱な主人公「麻生」。 小説が好きで大学に入ったら思いっきり小説を…

卓球戦隊ぴんぽん5

桑田作品第三夜 タイトルからしてすでに卓球を真面目に描く気がない事が判明してしまうコメディ作品。 主人公「紅裕次郎」は、スポーツセンスの塊のような男。 しかし、なぜか卓球だけはどうやっても下手。とことん下手。 そんな裕次郎に無理やり部活に誘わ…

おそろしくて言えない

桑田作品第二夜 「桑田乃梨子」の名が、通りはじめた最初の作品が本作ではないだろうか。 心霊現象お手の物の主人公「御堂」と憑依体質だが絶対に霊を信じない「新名」 そんな二人のコンビの学園生活を描く心霊コメディ作品。 中盤で二重人格ヒロインの「御…

青春は薔薇色だ 人生は薔薇色だ

最も好きなマンガ家の一人、「桑田乃梨子」作品シリーズをしばらく忘れていたので、しばらく桑田作品レビューが続く。 制服フェチの女子体育教師森島と、サッカー部の人気者広瀬。 恋愛関係など微塵も発生しなそうな二人の、薔薇色の高校生活を描いたラブコ…

あねさんは委員長

「こなみ翔子」の初期傑作。 クラスの委員長であるヒロインと、そんな彼女に惚れてしまった、彼氏の物語。 ただし、彼氏の父親はヤクザの組長。 少女漫画で学園もので、彼氏がヤクザの息子というのは80年代としては非常に新しかったと記憶している。 最近の…

京アミ!

基本的に好きでないので、萌えエロ系作品はあまり取り上げない方針だが、あまりに馬鹿馬鹿しかった(いい意味で)のでレビュー。 小説化志望で専門学校に入学した主人公が、シナリオライターとして無理やりエロゲー作成に加担させられるという話。 エロ描写…

飯の旨さを描かせれば、「ラズウェル細木」の描写はもはや職人芸である。そして、そんな作者が鰻だけをテーマにして挑んだ連載「う」 確かに日本人は鰻好きだが、それにしても、短編で鰻だけがテーマでよくも4冊も続いたものだ、と呆れてしまう。 そして、…

ケサラン・パサラン

「山岸涼子」の描く風水をテーマにした異色作。主人公のイラストレーター星由良子は、家を建てる事を決意し、希望の場所に土地を手に入れるが、占い師に衝撃の言葉を告げられて。。。 主人公の堂々巡りの思考に若干いらいらさせられるものの、家を建てるとい…

湯の花つばめ

「こなみ詔子」といえば、「あねさんは委員長」だろうか。 しかし、あの作品当時、こなみ詔子が現在のようなスタイリッシュな方向性のマンガ家になるとは予想できなかった。 本作は、そんな二つの時代の中間あたりとなる作品だろう。 美形三兄弟が働く銭湯「…

花吐き乙女

花吐き病片思いをこじらせると、苦しくなって花を吐く。 完治する方法は、ただ一つ。相手と両思いになる事。 さすがは、奇才「松田奈緒子」常人には思いつかない発想である。 この「花を吐く」という表現が、目に見えないはずの恋心の比喩表現になっており、…

1ポンドの福音

食べることが大好きでいつも減量に失敗するボクサーと、その懺悔を聞く教会のシスター。 文字にすると違和感しかない組み合わせだが、天才の手にかかればエンターテイメントとして完成してしまうのだから、恐ろしいものだ。 高橋留美子自体は、マンガの上手…

キャラバン・キッド

「真鍋譲治」といえば、「銀河戦国群雄伝ライ」が代表作だろう。 しかし、若干、冗長であり、27冊読み通すのは疲れる。 それに比べると本作は全5冊で大変読みやすい。 何より、デビュー作「アウトランダーズ 」の良さを活かしながら、ストーリー構成が進…

東京家族

奇才「山崎紗也夏」が描く不思議な家族の物語。 作家「原田壮」が、社会的名声を手にし始めた頃、昔の女性が子供を連れて彼の家を訪れる。 若い頃に彼女に苦労をかけた事を思い出し、彼は償いの意味で、子供を引き取る決心をする。 そして、新しい生活が始ま…

つるた部長はいつも寝不足

とりあえず読んだので書いておくシリーズ。 妄想ばっかりしている女性主人公という視点が売りだったが、如何せん、「妄想」と「マンガ」の相性が悪かった。 読んでいて、「妄想」なのか「現実」なのかが、すぐにわかるパターンと、わからずに読み手が混乱す…

幻覚ピカソ

「古屋兎丸」の天才的な画力に裏付けられた作品。それが本作である。 主人公ピカソは絵を描くのが大好きな高校生。 そして、そんな彼に唯一声をかけてくれるヒロイン千晶。 しかし、ある不慮の事故で、彼女は死んでしまう。 その日を境に、ピカソは人の心の…

バオー来訪者

巻末の夢枕獏のコメントがすべてだ。 この作品の圧倒的な説得力は、「荒木飛呂彦」の絵に他ならない。 これだけオリジナリティにあふれる作品を作り出せる作者はそうはない。 組織に改造された、主人公バオーと、超能力少女スミレ。 全2冊の短い物語ではあ…

君たちに明日はない

非常に惜しい作品である。リストラ代理人という、魅力的なテーマを開始当初は真正面から描いていたが、徐々に連載雑誌の方向性に進み、大人の男女の話ばかりになってしまった。原作小説は未読であるが、明らかにこれよりかは面白いのだろう。マンガ全2冊の終…

てるてる天神通り

神様が住む不思議な商店街天神通りを舞台にしたファンタジーラブコメ作品。全5冊を通して、とにかくほんわかした作風で、物語、キャラ、画力と安定しており、最初から最後まで安心して読めるタイプの作品である。ただ、その分非常に無難でテンプレ感が否め…

おじいちゃんは少年探偵

昭和30年代に活躍した少年探偵ダッシュくんは、宿敵ドクロ博士のワナにかかり、50年の間氷づけにされてしまう。そして、自分の孫になるはずのヒロインひかりによって現代に目覚めさせれたダッシュくんは、再びドクロ博士との戦いに挑むのだが。。。 いく…

フラワー・オブ・ライフ

「よしながふみ」の描く学園作品。 無論、よしなが作品なので平均点以上には面白いが、手放しでお勧めは出来ない。 原因としてはやはり、作者の精神年齢が、男子高校生の精神年齢よりはるかに高くなってしまっている点だろう。 白血病で死に掛けた男子高校生…

笑う大天使

定番の名作である。 少女マンガ家は数多いれど、「川原泉」に取って代われる人材はまずいない。 面白さという意味では、他にもオススメできる作品は数多あるが、個性という意味でこのマンガ家を超える存在は稀有である。 さすが教授。 作中に展開される幅広…

ほしのうえでめぐる

宇宙につながる宇宙エレベーター「明星」その開発の過程に関わる様々な登場人物を、短編オムニバス形式でまとめた全2冊の作品。 宇宙エレベーター自体はSF心をくすぐる非常に良い設定だったが、いかんせん、登場キャラクターや物語の説明が雑すぎるのは難…

クール・ガイ

クールな彼氏と天然な彼女のベタな展開の恋愛マンガ。今となってはかなりの定番だが、90年代中盤においては、まだ先駆けの部類だろうか。序盤は良くある少女漫画で、後半、作風に若干オリジナリティが見られるものの、あまり昇華されずに終わってしまった点…

私立樋渡高校COMICS

90年代後半といえば、オタク系の作品が、マンガ、アニメ共に増殖しつつあった時代だが、その世相を見事に反映した、オタク系COMICSが本作である。 漫研所属ながら、自前の技術でビームサーベルを作成して、高校の番長に君臨する主人公「安八」 そん…

ブラッディエンジェルズ

「みず谷なおき」氏の作品連投。 婦人警官コンビの日常を描いたラブコメ作品。 婦警モノといえば、圧倒的な大成を収めたのは、「逮捕しちゃうぞ」だが、本作も類似した作品であり、80年代中盤はなぜか婦人警官作品が流行った時代である。 もともと、男性警官…

人類ネコ科

故「みず谷なおき」が遺した学園ラブコメディ。 女嫌いの主人公が、学園トップの美少女に告白されるという、妄想著しい展開で物語は始まる。 昨今の萌え系マンガでも困難なご都合主義の展開だが、80年代の作品である点を考慮すると、萌え作品の走りともいえ…

銀の勇者

ありがちではあるが、剣と魔法の世界におけるファンタジー作品。 主人公ビートは、最高位の「金の勇者」を目指す冒険者。だが、幼い頃に共に魔王を倒す約束をしたリチェは、魔族の味方として、日々をすごしていた。ファンタジー作品の設定が細かくなった現代…

ハロー・グッドバイ

(2012年評)3D彼女完結なので、那波マオ作品レビューを。 完成度の高さでは、「彼女ができたから。 」の短編、読んでいての楽しさでは「姫ママ!」等がお勧めだが、挑戦しているテーマの難易度では本作が一番面白い。 初めてつきあった彼氏にふられて、や…

アンダンテ

こどものおもちゃの「小花美穂」の描く全3冊のラブストーリー。血の繋がらない兄妹と、そこに突然同居する事になる美少女。 三人を繋ぐ主題は音楽。 ありがちな題材を、そこそこの力量で煮込んだ、佳作といったところか。 題名、アンダンテ(ほどよくゆるや…

百万畳ラビリンス

前から気になっていたものの、なかなか読む機会がなかった本作をやっと読了。マンガ総合ランキングを毎年作っているので、滅多に大物を読み逃すことはないのだが、本作はマンガ大賞だけにしか登場しなかった珍しいタイプの作品で、完全にノーマークだった事…

吉祥天女

吉田秋生は、「あきみ」ではなく「あきお」だと長い間誤解していた。 しかし、それも無理はないと思う。なにせ、作品が、「カリフォルニア物語」や「BANANA FISH」そして本作「吉祥天女」だ。 どう考えても当時の少女マンガの枠に収まっていない。この手の「…