つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

c2_短編(5冊以内)

ガートルードのレシピ

様々な悪魔の身体の一部をつなぎ合わせて創られた人造悪魔「ガートルード」と、そんな彼の旅につき合う事になった少女「佐原」の物語。悪魔の製造方法を「レシピ」と評するタイトルにもあらわれているように、ファンタジー作品としてのオリジナリティは相当…

ママゴト

やはり「松田洋子」作品は良い。人間の持つ泥臭さの表現の幅が、並のマンガ家と一線を画している。 風俗店時代に授かった最愛の子供を自分の不注意で死なせてしまった映子。 その事件以降、子供と向き合えない人生を送っていた彼女が、友人の子供を預からな…

マザー・ルーシー

ペンネームが色々と変わる作者「沖さやか」の初期作品。掲載していたヤングサンデーで回収騒ぎを起こした連載「マイナス」の次に発表された本作だが、一言でいえば振り切れている。ひたすら楽しく、SEXしたいだけの日々を過ごす、主人公ルーシーが、突如…

リトル・フォレスト

東北地方のとある村の中の、小さな集落「小森」そこで暮らす主人公「いち子」 大自然の中で描かれる四季の暮らしと、美味しそうな食生活。 全てが便利ではないと頭では分かっていても、都会の人が憧れてしまう田舎暮らしを、自然マンガの天才「五十嵐大介」…

2001夜物語

日本のマンガ界でSFジャンルが終わったのは、この作品のせいだったのではないか、と個人的には考えている。2001夜物語はそれぐらい全てを終わらせてしまった、偉大な古典の名作だ。 今から約30年前に描かれたとは思えない、深い洞察と、宇宙への憧れ、そ…

純潔のマリア

「もやしもん」の作者というイメージが強くて忘れていたが、「週間石川雅之」の作者でもあったのだな、と思い出させられた。 イングランドとフランスの100年戦争の時代に生まれた魔女マリアは、自分の嫌いな戦争をなくすために、世界中を相手に自分勝手に戦…

B.B.joker

圧倒的に斬新でくだらないダジャレを、何とも可愛らしい絵柄で展開したある意味伝説的な4コマ作品。最初読んだ時、少女マンガ出身のギャグ4コマで、こんなスゴイ才能があり得るのかと心底驚かされた作者「にざかな」だが、原作のどうしようもないネタを書く…

僕らはみんな生きている

これは、「山本直樹」の最高傑作と呼べるレベルの作品ではないだろうか。もちろん原作があるので、全てが作画担当の「山本直樹」の手柄ではないが、原作とは異なる味わい深いキャラクターといい、原作者が褒めるラストの演出といい、作者の才能がそこかしこ…

マドモアゼル モーツァルト

もはや書籍版は新品では購入できないかもしれない。ただ、隠れた名作だ。 天才音楽家モーツァルトが、実は女性だったという大胆な設定を舞台に物語は展開するが、モーツァルトの奔放な精神、作曲群と、サリエリとの愛憎ともいえる関係性がこの設定故にリアル…

柴田さんちのエリザベス

これは久しぶりに勿体ない作品だった。世界的な富豪の娘「エリザベス」がお見合い手を間違えた事をきっかけに、日本のしがないサラリーマン「柴田薫」のお嫁さんになるという強烈な導入。しかも、「薫」の家には前妻が残した、連れ子が5人。そんな生活の中に…

9時から5時半まで

ベテラン「逢坂みえこ」による往年の名作。80年代に経営コンサルタント会社を舞台に、女性と仕事をテーマにした本作を描いた腕前は流石である。この辺り、自身が経営コンサルタント会社に在籍していた経験がなければ、描けなかったであろう。また、流石に約3…

ヨイコノミライ 完全版

今でこそベテランになりつつある、作者「きづきあきら」+「サトウナンキ」の夫婦コンビだが、その名を高めたのは、やはり本作からだろう。漫画サークル系マンガが人気を博しはじめた、2000年代にWeb系雑誌に颯爽と登場し、ダークな視点のオタクマンガを提供…

さよならソルシエ

(2013年評)久しぶりの酷評なので、ファンの方は読まない事。当初、連載が始まった時点では、私はこの作品を避けていた。なぜなら、作者「穂積」の作品だからだ。 内容的には凡庸に見えた「式の前日」があれほど売れた理由は、今まで女性マンガを手に取って…

KING MARKER 王の採点係

ファンタジー色が得意な作者「喜多尚江」による作品。呪いで子供の姿にされてしまった王子様が、現代日本に携帯で転送されてくるという、異色の設定で始まる物語だが、全2冊と、十分な面白さが発揮される前に完結してしまった印象である。王子様の呪いを解く…

喰う寝るふたり住むふたり

結婚しないで同棲生活が続き、気が付けば8年が経過した頃から始まる男女の日常物語。内容自体は普通だが、1つの話を常に男性編と女性編の2つの視点から描くという構成が抜群にはまり、人気作品となった本作。 常に1話を2つ書き続けるのだから、作者「日…

サルチネス

久しぶりに「古谷実」に泣かされた。 一世を風靡した「稲中」以来、創作を模索してきた作者。 「ヒミヅ」以降は、ひたすら人生からの問いかけを哲学する事が課題となり、エンターテイメントとしてのマンガは、置き去りになっている感もあった。 しかし、本作…

時間の歩き方

「榎本ナリコ」が面白いのは知っていたが、もっと感性のマンガ家だと思っていたので、タイムトラベル作品が描けるとは夢想だにしなかった。 ところが、これが面白い。 勿論、凄く難しい設定の作品なので粗を探そうと思えばたくさん見つかるのだろうが、最初…

タネも仕掛けもないラブストーリー

高校の手品部を舞台にしたラブコメ作品が、全3冊で完結。手品部という設定は悪くなく、そこに、アイドルを目指しているヒロインが加入するという導入部分は良かった。加えて、彼女の手品が実は超能力だったという設定も、興味深いところだったのだが、予想以…

ジュゲム・ジュゲム

地味な作者「ケイケイ」が送る何とも言えない女性の日常を切り取ったオムニバス形式の作品。非常に地味な作品なのだが、どこにでもありそうで、なんとも言えない日常を面白い物語として描く腕前はなかなかのもの。キャラクターの表情も目玉が描かれるだけで…

掟上今日子の備忘録

マンガ版は5巻で第1シーズン完結との事。しかし、流石に原作「西尾維新」である。眠るたびに過去の記憶を失う忘却探偵という設定は、数多くの探偵マンガが乱立している現代においても色褪せない設定だった。そして、忘却探偵が登場する遠因を描いた2巻のスト…

うみべの女の子

オシャレ系最先端のマンガ家「浅野いにお」の作品。知っている限りでは性描写が最も多い浅野作品なので、その辺りが嫌いな人は読まないほうが良い。 いくつも浅野作品を読んできたが、そろそろ「浅野いにお」が理解できた。 最初に読んだ時のインパクトが素…

ヤスコとケンジ

俺物語でブレイクした作者「アルコ」の代表作。 元暴走族の総長「ケンジ」とそんな兄貴に頭を悩ます「ヤスコ」の二人の兄妹バトルを描いたコメディ作品。かなりギャグ寄りの作品で、よくありがちないざとなったら頼れるお兄ちゃん的な物語はあまりなく、強烈…

諸星大二郎特選集

最近のマンガ読者にはそこまで知名度が高くないが、往年のマンガファンには、圧倒的な天才として知られている作者「諸星大二郎」。 しかし、それにしても改めて読み返すと天才すぎる。どれをとっても面白い短編集で、個人的には「感情のある風景」に感動した…

どうにかなる日々

相変わらずマンガ読み泣かせの作者、それが「志村貴子」である。何か物凄く深いテーマ性や物語があるわけではなく、淡々と男と女や少年と少女や場合によっては少年と少年の恋愛やSEXを描く本作。シリーズで続く短編もあれば単品で終わる話もあり、テーマ…

アヴァール戦記

「群青」で名をはせた作者「中村珍」によるアヴァール物語。 物凄くファンタジー色の強い表紙はフェイクで、本作は、アヴァール=けちをテーマにしたドキュメンタリー作品である。 内容的には、絵を物凄く凝って描くと、アシスタントさんの代金や食費等も含…

あしめし

「アシスタトでメシが食えんのか」略して「あしめし」である。その名の通り、アシスタント体験ルポマンガであり、当初はブログで連載していたものが、昔の担当のよしみで書籍化。作者の「葛西りいち」は、その後、このネタを引っ張って、色々な続編を書籍化…

洗礼

加齢とともに美しさを失っていく恐怖に耐えかねた女優が、若さと美貌を取り戻す事だけを目的に、娘を産み、そして自分の娘と脳移植をするという伝説的な作品。 一度読んだら決して忘れられないこの設定は、マンガ黎明期にのみ許された特権であり、このインパ…

できるかな

「まあじゃんほうろうき」の頃から「西原理恵子」作品を読んでいるわけだが、既に二十数年が経過してしまった。その間、彼女のヒットにあやかろうと様々な女性ルポ系作品が世の中に登場したが、最後の女無頼派として、後続を寄せ付けなかった結果が現在の地…

LET IT BE!!

読者からの下ネタ相談という異色の作品「コイズミ学習ブック」で天下を取った作者「こいずみまり」の初の長編ラブコメ作品。決して絵が上手い作者ではないはずなのだが、マンガらしさの原型を感じる作風で、昔から同じような絵を描いているが、今でも古臭く…

ゲレクシス

「古谷実」が終わってしまったのかもしれない。ゲレクシス完結の2巻を手に取ったわけだが、そんな憤りを覚えるほど、どうしようもない終わり方だった。ご存知の通り近年の「古谷実」作品は、ここで終わるの?と思わせるようなタイミングで幕を降ろすのだが、…