つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

c1_全1冊完結

あたらしいひふ

「高野雀」の同人誌時代の初期作品集である。大型新人として、「さよならガールフレンド」で鮮烈なデビューを果たした作者だが、流石に初期作品群という事もあって本作のクオリティ自体は並。ただし、表題作の「あたらしいひふ」は非常に面白く、服というテ…

筒井漫画涜本

筒井康隆の原作を様々な作者が漫画化した短編集。星新一作品の漫画化などはまだ読めるレベルなのだが、さらにナンセンスとブラックユーモアを進行させてしまった筒井作品となると、流石に混沌とし過ぎてしまう結果だった。加えて、「相原コージ」「吾妻ひで…

いとへん

全1冊完結の、仕立て屋物語 「宇仁田ゆみ」が描くにしては珍しく、天然で可愛らしさだけが取り柄なおバカ主人公「ななこ」と、仕立て屋の師匠「ヒラタ」のほんわかしたやり取りを描いた作品。 アマゾン等を見ると、案外酷評が並ぶが、このレベルの作者が描い…

ラスト・ワルツ

今なお孤高の存在である雑誌アックスで連載された、「島田虎之介」の恐るべき処女作。 ここまで壮大な物語を語られると、読み手としては正直、評価が難しい。 昨今流行りのマンガというより、これは物語なのだ。 マンガという表現を使っているが、絵と文字に…

スラム団地

人とは違うオリジナリティを持ちながら、人間描写が巧みなマンガ家はすべからくスラム出身ではないだろうか。 そんな不謹慎な想像を裏づけしてくれる本作「スラム団地」 作者「松田奈緒子」の幼少時代の団地での生活を描いた作品だが、その後の作者の描くマ…

生活 完全版

「福満しげゆき」作品は、エッセイ系からオリジナルまで色々読んだわけだが、やはり一際面白いのがこれ。 あのネガティブな本人が自信があると言っただけの事はあり、まさに大作と呼ぶに相応しい渾身の傑作、それが「生活」完全版である。 世間を妬む悪人に…

少女探偵金田はじめの事件簿

「あさりよしとお」らしさ満載の本作。探偵マンガの皮をかぶったギャグ漫画。でも、やっぱりいつも通り、心の片隅に不協和音を残すこの空気感。 推理小説のお約束を逆手にとって、様々なパターンで強引にオチをつける作者の博識に拍手。 名探偵ゆくところに…

リアル風俗嬢日記

Webバナー等で度々広告が出ていた本作。見た感じエッセイ系の要素が強そうで、エロ作品ではなさそうだったので購読。結果としては、確かにリアル風俗嬢日記というタイトル通りの作品だった。作者「Ω子」自身が現役の風俗嬢で、お店に来た人との体験や経験を…

放浪世界

「水上悟志」作品は好きなので新刊が出れば必ず目を通すわけだが、本作の出来栄えは、「並」といった感想である。既にSFジャンルでは様々な面白い作品を産み出しているだけに、どうしても期待のハードルが高くなってしまう点は申し訳ないが、帯にも書かれて…

私のともだち

魔法使いの娘シリーズが終わってしまったせいで、「那州雪絵」のサスペンス作品が読めなくなってしまったわけだが、この度、ホラー短編集が発売される事になって歓喜。全6作品ほどが収録されているが、今回も非常に面白い。表題作「私のともだち」も良いが、…

ラスト.ワルツ―Secret story tour

今なお孤高の存在である雑誌アックスで連載された、作者「島田虎之介」の恐るべき処女作。 ここまで壮大な物語を語られると、読み手としては正直、評価が難しい。 昨今流行りのマンガというより、これは物語なのだ。 マンガという表現を使っているが、絵と文…

三文未来の家庭訪問

鬼才「庄司創」による少し不思議な短編集。 表題作「三文未来の家庭訪問」は、アフタヌーンで連載した「白馬のお嫁さん」の原型を感じさせる作品だ。 個人的には「白馬のお嫁さん」より、この頃の、少しだけ緊張感を伴う、近未来の世界観が好みである。 ただ…

少女漫画

「松田奈緒子」作品は、どれも味があって面白い。 本作は、「ベルばら」や「ガラスの仮面」等、有名少女漫画作品をテーマにし、それぞれの少女漫画に憧れた女性たちが、そのマンガを心の支えに、現実の世界を闘っていく日々を描いたオムニバス作品。 「少女…

ぶんぶんレジデンス

近代麻雀に連載された、爆笑麻雀マンガ。懐かしくて購入。 大学の学生寮「竹丸寮」に入った主人公「矢鴨」が、ひたすら麻雀で金をむしり取られる。 序盤は、竹丸寮のキャラの強さだけがウリで、あまり面白くない。 しかし、「特殊ルール麻雀」が始まってから…

よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話

エホバの証人と思われる宗教を信じる母親の元で育った作者「いしいさや」の物語。やはり、伝えたいことがある人が描く作品というのは力強いもので、画力やセンスとは全く別の次元で、宗教勧誘を取り巻く環境の真実の一面を描いている。近年では「高木かや」…

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

Amazonのレビューの評価と、マンガとしての評価が一致しないという意味で、今回は非常に勉強になった。エッセイ作品は好きなので、良く読むジャンルなのだが、Amazonのレビューというのはそれなりに参考になる。平均して評価が高い作品というのは、万人にと…

妻は他人 だから夫婦は面白い

なんとなくブログの記事を読んで購入。最近、この手の書籍化作品が増えてきているのだが、やはり、以前に比べて作品のクオリティが、下がってきている気がしてならない。正確には、昔のWebから書籍化した作品は、一冊全てを通して、ある程度の質を担保してお…

理系クン

理系というキーワードの一点突破で、その後何作もシリーズ化したのだから「高世えり子」には先見の明があったのだろう。作品的には文系女子の作者が、理系男子の彼氏に魅かれてといった非常にわかりやすいエッセイ系作品であり、特段、何か見るべき点がある…

明日も未解決

物凄く久しぶりの「桑田乃梨子」である。細く長く30年以上、なんとなく読んでなんとなく楽しむこの作風を続けているのだからある意味天才。ただ、今回ようなオカルトジャンルは作者の得意領域なので、正直、他のシリーズの方が面白い。その意味であえて、こ…

劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母

往年の名マンガ家「小林まこと」が、長谷川伸の傑作を劇画化したシリーズだが、シリーズ中でも屈指の出来栄えとなる本作。 本シリーズでは小林作品に出てきたキャラクターのスターシステムを採用しているだが、満を持して「三四郎」を主人公の配役にしている…

田中雄一作品集 まちあわせ

グロテスクな異生物と、人間の混在した世界を描く短編集。 人間以外の生物と共生する社会があるとしたらの、「if」の世界を粗削りながら描いている作品。ただし、設定にこだわりがある分、若干、設定が先行しがちでキャラクターが無理に動ている部分は難。 …

五色の舟

原作者「津原泰水」の傑作を「近藤ようこ」がマンガ化した本作だが、それにしても凄い作品である。 多少マンガを読み慣れた人ならば、数ページ読んだだけで本作の異様なまでの魅力が理解できるだろう。戦時中という非日常の中に障碍者や異形の生き物というマ…

マタギ

久しぶりに「矢口高雄」の名前を見かけたので購入。やはり、自然世界を描かせたら右に出る者はいない巨匠の一人である。シンプルなタイトルだが、その名の通り「マタギ」という狩猟の世界を、少年マンガ的に描いた作品で、70年代的な過剰な表現はあるものの…

ドミトリーともきんす

評価が難しい作品である事は間違いないが、個人的には、あまり楽しめなかった。残念である。 作者の「高野文子」は、ガロ系派閥の神様のような存在なので、批判するのはおこがましいし、実際「黄色い本」等は素晴らしい傑作だと認識している。 ただ、本作は…

ちーちゃんはちょっと足りない

「阿部共実」お得意のブラックユーモア作品。デビュー作の頃から変わらず、この手の気持ち悪い不安感を描くのが相変わらず得意な作者である。 ちなみにこの作品自体はレビューそのものが、若干ネタバレになってしまうので、阿部作品未読の方は、読まずにまず…

猫背を伸ばして

「押切蓮介」好きとしては、書類送検されてしまいいたたまれないので、せめて本作を読んであげる事にした。 内容的には、マンガで食べていけるようになるまでの作者の半生を描いた、暗黒青春ジャンルの作品である。 この作者の、どうしようもない暗い青春の…

邪眼は月輪に飛ぶ

短編作品としては最高峰の絶賛を受ける、「藤田和日郎」の傑作。見られたら死ぬ、という圧倒的な力の梟「ミネルヴァ」と、それを追う狩人の物語。 スピーディーな展開と藤田作品特有の迫力あるアクションが混ざり、気が付けば、最後まで読んでしまう短編傑作…

ハウアーユー?

Sunny Sunny Ann!で鮮烈なデビューを飾った作者「山本美希」の作品。デビュー作を読んだ時は、この作風のままで、この作者はどこに行くのだろうか、と不安を感じたが、その不安を吹き飛ばしてくれる作品だった。 誰もがうらやむ絵にかいたような幸せな家庭の…

のうけん

超能力を持て余す女子高生の主人公が、超能力者だけが集まる同好会、超能力研究同好会に入るという、トンデモマンガ。 登場人物も天然系で、物語の展開も強引で天然。 間違いなく作者「長田亜弓」自身が天然と思われるパターンの作品。 古臭く新しい絵柄と、…

ぜんぶ女子高のせいだ!

WEB系マンガ出身の作者「ヤマダ」が、自身の女子高生時代の黒歴史を描く自虐ギャグマンガ。 コマ割りが大きく、値段の割にスカスカしているのが若干気になるが、ここまで自分の恥をさらして笑いを取りにきたのだから、許してあげる事にしよう。 良くも悪…