つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

2010年代男性系

Romsen Saga

表紙はロマンシング・サガのパッケージの雰囲気を完全にパクリ、似たようなタイトルをつけておいて、中身はコメディRPGという、「ゴツボ☆マサル」の描く困ったファンタジー作品。世界最強の門番が出てきたり、何でも叶える魔法のランプを持つ盗賊が出てきた…

かぞく

引き続き「土田世紀」編集王未読の方には意味のわからないレビューになるので、先に編集王を読む事をオススメする。作者が肝硬変で早逝してしまった今となっては、この作品こそ「土田世紀」にとっての「あした」になってしまったわけだ。親子や家族といった…

ロッタレイン

人間描写の巧い作者「松本剛」による全3冊の物語。都会を離れて、かつて自分を捨てた父親の家族のいる田舎に移り住んだ主人公と、その家に住む娘との徐々に歪んでいく日常。この辺りの、生活が徐々に煮詰まっていく描写は非常に秀逸で、最後まで結末が気にな…

幽麗塔

名作「医龍」の作者「乃木坂太郎」が描いた新境地。原案は幾度もリメイクされているミステリーの名作だが、本作はオリジナル路線を行く作品。仕事も金もなく行き場のなかった主人公「天野」があるとき殺人事件に使われた奇妙な時計塔「幽霊塔」に近づくこと…

憂国のラスプーチン

元外務省の主任分析官であり、ラスプーチンと呼ばれた男「佐藤優」を描いた傑作。 佐藤の逮捕から、最初の判決が出るまでの時間、物語の舞台はただひたすら、取調べの部屋の中のみ。 そこで繰り広げられる、検察とのやり取りと、語られる世界情勢と外交の世…

シューダン!

なかなか書こうとして書けなかった「横田卓馬」氏の作品レビューだが、そろそろ重い腰を上げて書く事にする。作者「横田卓馬」は、ジャンプ連載前からWebで話題になった作者で、特に「オナニーマスター黒沢」は、そのタイトルからは全く想像できないほど高い…

懲役339年

裏サンデーで話題になった「伊勢ともか」が描く本作を読了。Amazonでのレビューも非常に高く、プレミアがついてしまった本作だが、選んだテーマと設定は非常に面白くその点は評価できる。また、絵のレベルは決して高くはないのだが、序盤の進撃の巨人が魅せ…

おばけ道 THE END

誰も待ち望んでいないだろうが、私は待ち望んでいたおばけ道がついに完結。「小野寺浩二」と「石黒正数」の霊感ゼロコンビがひたすれ心霊スポットを回ってはおばけを探すという罰当たりなコンセプトの本作だが、「ソレミテ」「おばけ道」と続いてついに今回…

虐殺器官

早逝の天才として知られる「伊藤計劃」氏のデビュー小説をコミカライズした本作。小説は未読だが、その独特の世界観は、活字から漫画という媒体に変わっても色褪せる事のないオリジナリティを保った良作だった。戦争を引き起こすような重要人物を主なターゲ…

クレムリン

唯一無二のシュールギャグ系猫ちゃんマンガ。 そもそも、作者の名前が「カレー沢薫」な時点で唯一無二である。 道端に捨てられていた三匹のロシアンブルーの猫。名前は何故か三匹とも「関羽」。決して世の中に転がっている猫マンガと同じだと思ってはいけな…

あれよ星屑

戦後の時代を描いて話題になった本作も全7冊でついに完結である。基本的に戦争ジャンルマンガは、どうしても戦争の悲惨さを描く路線に走りがちである。自身が完全な戦争経験者になる、中沢啓治の「はだしのゲン」や、水木しげるの「総員玉砕せよ!」あたりは…

彼方のアストラ

SKET DANCEの「篠原健太」のSF連載なんて、どうせテクニカルな伏線に走り過ぎた作品だろう、と手を出していなかったのだが、ぬる太さんのブログで絶賛されていたので購入する事にした。結果、これが素直に最高だった。 nuruta.hatenablog.com もう本当にここ…

生活 完全版

「福満しげゆき」作品は、エッセイ系からオリジナルまで色々読んだわけだが、やはり一際面白いのがこれ。 あのネガティブな本人が自信があると言っただけの事はあり、まさに大作と呼ぶに相応しい渾身の傑作、それが「生活」完全版である。 世間を妬む悪人に…

放浪世界

「水上悟志」作品は好きなので新刊が出れば必ず目を通すわけだが、本作の出来栄えは、「並」といった感想である。既にSFジャンルでは様々な面白い作品を産み出しているだけに、どうしても期待のハードルが高くなってしまう点は申し訳ないが、帯にも書かれて…

疾風の勇人

近年数少ない政治マンガとしては非常に期待していただけに、本作の終了は残念だった。時代背景的にも池田勇人が活躍した頃は、非常に面白い時代なのだが、残念ながら首相の座に辿り着く前に終了という事で、人気がなかったのか、圧力があったのか、この辺り…

ラッキーマイン

異色のテーマを追い続ける作者「鈴木マサカズ」による、人生における「運」をテーマにした本作。作中で、ラッキーマインと呼ばれる、運の鉱脈を持つ男として、命がけのロシアンルーレット繰り返す主人公を描いた本作だが、昨今流行りのデスゲーム系の作品と…

三文未来の家庭訪問

鬼才「庄司創」による少し不思議な短編集。 表題作「三文未来の家庭訪問」は、アフタヌーンで連載した「白馬のお嫁さん」の原型を感じさせる作品だ。 個人的には「白馬のお嫁さん」より、この頃の、少しだけ緊張感を伴う、近未来の世界観が好みである。 ただ…

ソレミテ ―それでも霊が見てみたい

この作品を超える怪奇コミックには、多分もう出会えないかもしれない。 個人的には大好きだったが、恐ろしいので、家には置いておけない本作。ちなみにギャグマンガである。 どうしても幽霊が見たいマンガ家「小野寺浩二」と「石黒正数」の二人が、お互いに…

γ-ガンマ-

また、萌え系ダークサイドに落ちてしまった、残念なマンガを読んでしまった。 ヒーローとは何か、という深いテーマに少年誌の絵柄を使って真っ向から切り込んだ面白いアクションマンガを読んでいると思ったら、次第に主人公姉妹の百合マンガになり、最後はエ…

残念博士

残念な博士と残念な助手による4コマだったり4コマでなかったりする残念なマンガである。作者「瀬野反人」の作品は、基本的にナンセンスやシュールさの極致にあるような作風なのだが、本作も、その流儀から外れていない。ただ、それが面白いと感じるかどうか…

カメントツの漫画ならず道

Webで好評を博した作者「カメントツ」がゲッサンに殴り込んできた本作も2巻で完結。内容的に面白くないというわけではなく、数多の大御所に、恐ろしく切り込んだルポをし過ぎて取材先が確保できなくなったという原因で、「ゲッサンの雇われ鉄砲玉」の異名に…

くちびるに歌を

いでじゅう以降、何ともヒット作品に恵まれない作者「モリタイシ」の描く青春作品。今回は初の原作つき作品という事で、どんな展開になるか楽しみにしていたが、良くも悪くも普通であり、それなりに面白い。合唱を含めた音楽部活ジャンルの作品は、近年非常…

補助隊モズクス

異端の連載が多い雑誌「ハルタ」の中でも、 一際異彩を放ったグロテスクアクションの傑作。 ホテルの一室で突然現れた三匹の生き物と契約する事になった 平凡なサラリーマン「東海林」は、その三匹の式神を使い、 人間に取り付く化け物「倫虫」を滅ぼす役目…

一路平安!

中国人ヒロインと自転車旅ラブコメという、なかなか斬新な設定だったが、全2冊で終わってしまった本作。作者「小林尽」は、スクラン以降どうにもヒット作品に恵まれない。確かに元々ストーリー漫画で売れたわけではないのだが、キャラクターの造形や可愛らし…

O/A オー・エー

鴨川ホルモー以来、久しぶりに読んだ「渡会けいじ」作品である。ホルモーは原作つきで安定した面白さだったが、本作は作者オリジナルなので、色々期待していたが割と普通の作品であった。今でこそ「波よ聞いてくれ」が登場してしまったが、当時の時点でラジ…

劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母

往年の名マンガ家「小林まこと」が、長谷川伸の傑作を劇画化したシリーズだが、シリーズ中でも屈指の出来栄えとなる本作。 本シリーズでは小林作品に出てきたキャラクターのスターシステムを採用しているだが、満を持して「三四郎」を主人公の配役にしている…

田中雄一作品集 まちあわせ

グロテスクな異生物と、人間の混在した世界を描く短編集。 人間以外の生物と共生する社会があるとしたらの、「if」の世界を粗削りながら描いている作品。ただし、設定にこだわりがある分、若干、設定が先行しがちでキャラクターが無理に動ている部分は難。 …

聲の形

「聾唖といじめ」という今まで切り込まれてこなかった、反響が恐ろしいジャンルの読み切りが、圧倒的な人気を得た事から連載になったのだから、日本のマンガ読者のレベルはやはり高くなったのだろう。 ただ、マガジンという少年誌ではやはり、週刊少年誌的な…

子供はわかってあげない

モーニング出身の鬼才「田島列島」だが、確実に連載は巧くないタイプで、ある意味、浦沢直樹の正反対にいる存在である。 モーニングを愛している私としては、新連載時点から目をつけて読んでいたし、キャラの動きとネームキレには正直感心していた。 ただ、…

五色の舟

原作者「津原泰水」の傑作を「近藤ようこ」がマンガ化した本作だが、それにしても凄い作品である。 多少マンガを読み慣れた人ならば、数ページ読んだだけで本作の異様なまでの魅力が理解できるだろう。戦時中という非日常の中に障碍者や異形の生き物というマ…