つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

2010年代男性系

あれよ星屑

戦後の時代を描いて話題になった本作も全7冊でついに完結である。基本的に戦争ジャンルマンガは、どうしても戦争の悲惨さを描く路線に走りがちである。自身が完全な戦争経験者になる、中沢啓治の「はだしのゲン」や、水木しげるの「総員玉砕せよ!」あたりは…

彼方のアストラ

SKET DANCEの「篠原健太」のSF連載なんて、どうせテクニカルな伏線に走り過ぎた作品だろう、と手を出していなかったのだが、ぬる太さんのブログで絶賛されていたので購入する事にした。結果、これが素直に最高だった。 nuruta.hatenablog.com もう本当にここ…

生活 完全版

「福満しげゆき」作品は、エッセイ系からオリジナルまで色々読んだわけだが、やはり一際面白いのがこれ。 あのネガティブな本人が自信があると言っただけの事はあり、まさに大作と呼ぶに相応しい渾身の傑作、それが「生活」完全版である。 世間を妬む悪人に…

放浪世界

「水上悟志」作品は好きなので新刊が出れば必ず目を通すわけだが、本作の出来栄えは、「並」といった感想である。既にSFジャンルでは様々な面白い作品を産み出しているだけに、どうしても期待のハードルが高くなってしまう点は申し訳ないが、帯にも書かれて…

疾風の勇人

近年数少ない政治マンガとしては非常に期待していただけに、本作の終了は残念だった。時代背景的にも池田勇人が活躍した頃は、非常に面白い時代なのだが、残念ながら首相の座に辿り着く前に終了という事で、人気がなかったのか、圧力があったのか、この辺り…

ラッキーマイン

異色のテーマを追い続ける作者「鈴木マサカズ」による、人生における「運」をテーマにした本作。作中で、ラッキーマインと呼ばれる、運の鉱脈を持つ男として、命がけのロシアンルーレット繰り返す主人公を描いた本作だが、昨今流行りのデスゲーム系の作品と…

三文未来の家庭訪問

鬼才「庄司創」による少し不思議な短編集。 表題作「三文未来の家庭訪問」は、アフタヌーンで連載した「白馬のお嫁さん」の原型を感じさせる作品だ。 個人的には「白馬のお嫁さん」より、この頃の、少しだけ緊張感を伴う、近未来の世界観が好みである。 ただ…

ソレミテ ―それでも霊が見てみたい

この作品を超える怪奇コミックには、多分もう出会えないかもしれない。 個人的には大好きだったが、恐ろしいので、家には置いておけない本作。ちなみにギャグマンガである。 どうしても幽霊が見たいマンガ家「小野寺浩二」と「石黒正数」の二人が、お互いに…

γ-ガンマ-

また、萌え系ダークサイドに落ちてしまった、残念なマンガを読んでしまった。 ヒーローとは何か、という深いテーマに少年誌の絵柄を使って真っ向から切り込んだ面白いアクションマンガを読んでいると思ったら、次第に主人公姉妹の百合マンガになり、最後はエ…

残念博士

残念な博士と残念な助手による4コマだったり4コマでなかったりする残念なマンガである。作者「瀬野反人」の作品は、基本的にナンセンスやシュールさの極致にあるような作風なのだが、本作も、その流儀から外れていない。ただ、それが面白いと感じるかどうか…

カメントツの漫画ならず道

Webで好評を博した作者「カメントツ」がゲッサンに殴り込んできた本作も2巻で完結。内容的に面白くないというわけではなく、数多の大御所に、恐ろしく切り込んだルポをし過ぎて取材先が確保できなくなったという原因で、「ゲッサンの雇われ鉄砲玉」の異名に…

くちびるに歌を

いでじゅう以降、何ともヒット作品に恵まれない作者「モリタイシ」の描く青春作品。今回は初の原作つき作品という事で、どんな展開になるか楽しみにしていたが、良くも悪くも普通であり、それなりに面白い。合唱を含めた音楽部活ジャンルの作品は、近年非常…

補助隊モズクス

異端の連載が多い雑誌「ハルタ」の中でも、 一際異彩を放ったグロテスクアクションの傑作。 ホテルの一室で突然現れた三匹の生き物と契約する事になった 平凡なサラリーマン「東海林」は、その三匹の式神を使い、 人間に取り付く化け物「倫虫」を滅ぼす役目…

一路平安!

中国人ヒロインと自転車旅ラブコメという、なかなか斬新な設定だったが、全2冊で終わってしまった本作。作者「小林尽」は、スクラン以降どうにもヒット作品に恵まれない。確かに元々ストーリー漫画で売れたわけではないのだが、キャラクターの造形や可愛らし…

O/A オー・エー

鴨川ホルモー以来、久しぶりに読んだ「渡会けいじ」作品である。ホルモーは原作つきで安定した面白さだったが、本作は作者オリジナルなので、色々期待していたが割と普通の作品であった。今でこそ「波よ聞いてくれ」が登場してしまったが、当時の時点でラジ…

劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母

往年の名マンガ家「小林まこと」が、長谷川伸の傑作を劇画化したシリーズだが、シリーズ中でも屈指の出来栄えとなる本作。 本シリーズでは小林作品に出てきたキャラクターのスターシステムを採用しているだが、満を持して「三四郎」を主人公の配役にしている…

田中雄一作品集 まちあわせ

グロテスクな異生物と、人間の混在した世界を描く短編集。 人間以外の生物と共生する社会があるとしたらの、「if」の世界を粗削りながら描いている作品。ただし、設定にこだわりがある分、若干、設定が先行しがちでキャラクターが無理に動ている部分は難。 …

聲の形

「聾唖といじめ」という今まで切り込まれてこなかった、反響が恐ろしいジャンルの読み切りが、圧倒的な人気を得た事から連載になったのだから、日本のマンガ読者のレベルはやはり高くなったのだろう。 ただ、マガジンという少年誌ではやはり、週刊少年誌的な…

子供はわかってあげない

モーニング出身の鬼才「田島列島」だが、確実に連載は巧くないタイプで、ある意味、浦沢直樹の正反対にいる存在である。 モーニングを愛している私としては、新連載時点から目をつけて読んでいたし、キャラの動きとネームキレには正直感心していた。 ただ、…

五色の舟

原作者「津原泰水」の傑作を「近藤ようこ」がマンガ化した本作だが、それにしても凄い作品である。 多少マンガを読み慣れた人ならば、数ページ読んだだけで本作の異様なまでの魅力が理解できるだろう。戦時中という非日常の中に障碍者や異形の生き物というマ…

発症区

発症区、全3巻で完結である。まさに打ち切り的な幕切れだったが、正直、作品のレベルとしては3冊で終わらせるには勿体ない作品だった。超能力の発症という設定自体はありがちだが、登場するキャラクターの突飛さに対して、平凡な主人公「安田」の存在感や、…

美しい犬

原作「ハジメ」=「施川ユウキ」という事で、購入した本作だが、まぁ並のサスペンス。男子高校生を誘惑する不思議な犬という謎設定で始まる本作だが、特段オチはない。どちらかというと、瞬間的なトラウマを読者に残す類の作品で、あとがきに書かれている通…

ちーちゃんはちょっと足りない

「阿部共実」お得意のブラックユーモア作品。デビュー作の頃から変わらず、この手の気持ち悪い不安感を描くのが相変わらず得意な作者である。 ちなみにこの作品自体はレビューそのものが、若干ネタバレになってしまうので、阿部作品未読の方は、読まずにまず…

ごっこ

ロリコンの主人公が始めた、誘拐した娘との親子「ごっこ」 という、強烈な設定に魅かれたのだが、あらすじに期待し過ぎたのだろう、残念な読後感の作品だった。 可愛らしさ+シュールな絵柄だからこそ、このどうしようもない世界観の難しい作品を、面白く着…

ライコネンの熱帯魚

一度は打ち切りで続刊が発売されなかった本作だが、完全版と銘打って上下巻になっていたので購入。 その独特なタイトルと絵柄は評価できるのだが、問題はストーリーと設定だろうか。本作は、高校の熱帯魚愛好会を舞台に展開する学園ラブコメ的な作品なのだが…

野武士のグルメ

元々は、久住昌之の同名のエッセイだったが、それを土山しげるが漫画版としてリメイクした作品である。 定年退職後のオトコが、自分を野武士になぞらえ、好きなものを好きなように食べる本作。 帯にもあるとおり、やはり「タンメン」の回が最高で、単なる町…

タケヲちゃん物怪録

良い作品だった。作者がのびのびと描いている事が伝わってくる、非常に良い作品だった。 「とよ田みのる」作品は当然ながらその絵が持ち味であり、良くも悪くもジャンルと作風を限定させてしまう。 その中で、そろそろネタ切れかな、と思っていた時期に発表…

幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい

ついつい魅かれてしまうそのタイトルに釣られて購入。新人マンガ家としては悪くないレベル。 表題作は、あまりに唐突に終わるため、若干拍子抜けするが、それでも読めないレベルではない。 短編集の中身は玉石混合で、個人的には母娘のさりげない日常を描い…

ギャングース

作者「肥谷圭介」と、貧困や裏社会に詳しい原案「鈴木大介」とのコンビが描いた裏社会で生きる若者の物語。犯罪者への窃盗「タタキ」で日々の生活の糧を得る主人公達の物語から始まる本作は、様々な犯罪やヤクザ、裏社会の豆知識を交えて勢いよく始まったが…

カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生

サブカルチャーで悦に浸っているどうしようもない人を笑い飛ばす本作だが、個人的に気になったのは本作に対する不評レビューの多さである。 恐ろしい数の人に嫌われている作品だ。 それだけで、本作がそれなりの作品であるという事が良く分かる。 この手の他…