つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

2010年代女性系

おとりよせ王子飯田好実

おとりよせで美味しいものを楽しむ。ただ、それだけを一点突破で描き続けた本作も、最新7巻で無事完結。若干コミュ障で、お取り寄せだけが趣味の主人公が、ひたすらお取り寄せグルメを楽しむという内容は、マンガとしてのクオリティは置いておいて、新ジャン…

彼女とカメラと彼女の季節

久しぶりに純粋な恋愛マンガを読んだ。最近は、マンガ世界も複雑化しすぎていて、普通の恋愛マンガでは連載として成り立たないわけだが、この作品は、少女の同性愛をテーマにした分、純粋な恋愛マンガとして成立していた。最近だと、「青い花」あたりが同じ…

俺物語!!

少女マンガの伝統を見事に逆手にとって、2010年代を代表する作品となった俺物語も今月の別マガでついに完結である。俺物語らしい、素晴らしい最終話だった。 本当に、ここ近年の少女マンガ界における河原和音の存在感は圧倒的で、立て続けにヒット作を輩出し…

メゾンde長屋さん

(2012年評)「ホタルノヒカリ 」で人気を博したひうらさとるの最新作はSFと落語のコラボだった。 落語作品は、最近注目されつつあるジャンルだが、本作は落語そのものを追った作品ではない。過去の古典落語の有名どころからあらすじを拝借して、現代劇に落と…

さよならガールフレンド

良い意味で、若い女性の感性が凝縮されている作品。特に表題作のクオリティは素晴らしい。 全般的に、女性の友情と性を描いたオムニバス作品だが、そこに対照的に登場する男性の行動や思考等を含めて、非常に女性らしい作品である。WEBで公開されている「あ…

新久千映のまんぷく広島

ワカコ酒が大ヒットした「新久千映」のグルメレポ漫画。さすがにヒット作を出しているだけあって、漫画としての安定感は十分。紹介されるお店の数も非常に多くて、その点は、類似のグルメレポマンガよりお得。しかし終始、店舗紹介が続いており、ストーリー…

あやしい借金告白されました

(2012年評)ちょっと普段と異なる傾向の作品だが、とりあえず読んだので。マンガとして面白いかどうかでいうと、あまり面白くない。4コマなのに若干読みづらいのには驚いた。作者の感情が入りすぎているのだろう。 人生の参考書としては、そこそこ面白い。 …

小僧の寿し

個人的にお気に入りの作者「勝田文」の短編集。表題作含め、ほんわかした空気感を描かせると、抜群の腕前である。しかし、それ以上にやはり「原作付き」の時の、作品の冴えが並ではない。この短編集でもラストに収録されている「クリスマスキャロル」の出来…

ハル×キヨ

ハル×キヨもついに今月号の別マで完結してしまったので、書いておく。 あだ名が巨神兵の「宮本小春」(ハル)と、完璧人間だが身長だけが弱点の「峯田清志郎」(キヨ)の2人を描いた学園ラブコメ作品。 この手のデカ女、チビ男ジャンルといえば「ラブ★コン…

えへん、龍之介。

(2012年評)奇才・松田奈緒子が描く、芥川龍之介の生涯を描いた作品。 文芸モノで言うと近年は太宰治のマンガ化がブームになっていたが、そんなブームには乗らずに、優等生で作品にしづらい芥川を選ぶ辺り、さすがというべきか。 「レタスバーガープリーズ.…

娚の一生

(2012年評)娚の一生を読むと考えさせられるのは、女性の憧れについてである。一昔前には、この若さと可愛らしさを持つ設定の主人公が35歳未婚という事はあり得なかっただろう。 また、その相手の男性も、独身で51歳。悪い意味で結婚をしていなかったわけ…

四百四病の外

私の中での少女マンガ家ランクとしては、相当なベテランとして認識されている「聖千秋」だが、マンガとしての面白さという意味では、なかなかに今一つだった。タイトルは非常に秀逸。物語も読み返してみれば、四百四病の外、つまり恋の病に翻弄されている人…

にこたま

圧倒的なキャラクター描写と、生々しい生活描写を武器に、大人の世界の恋愛マンガを描きこんだ作品。 とにもかくにも、キャラクターの存在感や、物語のリアリティは素晴らしかったのだが、エンターテイメント性がほぼなかった点が非常に残念。 30代近くの人…

東京シェアストーリー

ゼノンも随分冒険したな、と感じていた作品だったが、あえなく全2冊で終了。 正直、作品のテーマとしては近年では抜群だった。主人公が38歳。アラフォーだけに限定された女5人のシェアハウス生活という設定に魅かれる。 昨今、女性マンガの主人公は30代も多…

寺ガール

水沢めぐみはやはり、王道少女マンガの担い手というべきだろう。 本作、寺ガールは「お寺に産まれた三姉妹」の物語だ。言われてみれば今までそれっぽい作品がなかったのが不思議なくらいであり(ぶっせんはまた別格だが)お寺というのは魅力あるジャンルだ。…

25時のバカンス 市川春子作品集Ⅱ

(2012年評)「虫と歌 」を読んで次の日即購入。 とりあえず、マンガ読みは市川春子を読んでおかないとまずい。そんなレベルで断言できる作品の質。 特に表題作「25時のバカンス」は畢生の出来栄えだ。 前作は独創的という段階であった表現力が、本作ではそ…

森薫拾遺集

森薫好きならお勧めできる。一言で言うとそんな一冊だ。 本作は、短編集ではないので、その点はご注意を。短編マンガも勿論含まれているが、イラストも多い。それから、森薫ファンならご存知の、落書きやあとがき等、さまざまな、単行本には収め切れなかった…

ルックルック境界線

「マキヒロチ」の作品があまり得意ではなかったのだが、これはなかなかの良作だった。以前読んだエッセー漫画では、あまり自分をさらけ出していないスタイルに共感が持てなかったが、本作はかなり違う。相当に作者の内面をさらけ出して笑いを取ることに成功…

伊賀野カバ丸 そりから

本屋でたまたま目に入った本作。まさか、伊賀野カバ丸の新作が出ていたとは。。。 さすがに現在の作者の画力等含めて、再現は難しいだろうと思っていたが、及第点にはなっていたので安心した。しかし、前作と比較すると良くも悪くも勢いがなくなっていたのは…

結婚しないと思ってた

(2012年評) 最初に断っておくが、デビュー作「カラスヤサトシ」を読まずに本作を読んでも何も面白くないという点を強調したい。 本作はマンガ家カラスヤサトシが自分の理想の女性に出会うためにどうしようもないお見合いを繰り返し、そして、最後には幸せな…

箱舟の行方

(2012年評)シギサワ カヤ初の作品集。 不倫から初心者の恋愛まで幅広く抑えた恋愛オムニバスとなる。 特に表題作品「箱舟の行方」は、新人作家としてはかなり出来が良い。しかし、懸念はある。 それは性描写が高いレベルを誇っている点だ。 ある程度年齢層…

7年目のツレがうつになりまして。

まさかの映画化まで果たしてしまった「ツレがうつになりまして。」の完結編とも思える続編。最早、うつだったころの緊迫感や切実さは過去のことになりつつあり、自然体での暮らしを楽しみ始めている二人の生活には、微笑ましさを感じる。ただ、それが漫画と…

ヨメさんは萌え漫画家

萌えキャラで一世を風靡した作者「こげどんぼ」による日常切り売りマンガ自衛官の旦那さんとマンガ家の嫁という組み合わせを上手く料理しているあたりはさすがにベテランの腕前だが、昨今は、この手のエッセー系マンガがかなり出版されているので、評価とし…

orange

連載完結まで紆余曲折あった本作も、昨年、無事完結。 人気が出た影響で、無駄な引き伸ばしがなかった点は素直に評価したい。学園恋愛ジャンルの作品に、未来の自分から手紙が届くという、SF要素を加える事で、多少オリジナリティを高めている類の作品だが…

水面座高校文化祭

(2012年評)第一巻の表紙をめくれば、そこに広がるのは文化祭の熱狂。 なんとなしに手に取ってみた作品だったが、とにもかくにも絵が上手い作者だった。 これだけ画面狭しとキャラクターを動かせるのだからマンガ家としての資質は十分なのだろう。 しかし、…

ミラーボール・フラッシング・マジック

(2012年評)一冊の中に様々なテーマを含んだ短編集。 実験的な作品からいつもの雰囲気の作品まで色々含んでおり、タイトルのミラーボールにふさわしい内容。 収録されている作品の中で一番合わなかったのは、「うつくしい森」 描きたいテーマの抽象化が不十…

地上はポケットの中の庭

(2012年評) この作品は評価が大変難しい。 私の好きなレビューブログにおいても、面白いのではなく上手いのではないか、といった表現がされていた。 私も同様の感想を持っている。 庭をテーマにしたオムニバス形式の作品だが、当然ながらその地味なテーマ…

鉄道少女漫画

(2012年評)本作は鉄道と恋愛がメインテーマのオムニバス形式の作品となるが、相変わらず読んでいて安心できるマンガ家である。 昨今の短編集は、駄作が混じるケースが殆どだが、本作の場合、どれをとっても捨て作品がない辺りはさすがというべきか。 正統…

うどんの女

(2012年評) 作者名「えすとえむ」は、私の中で、新作をチェックしなければいけないマンガ家として刻まれた。 今回眺めているこのマンガがすごいランキング入り作品の中では、現在、頭一つ抜けている。 そんな印象を受けた。 とにもかくにも、展開が独…

かわいい悪魔

自分のセンスだけに任せて作品作りが出来ればどんなにありがたいことか。 そんな才能を感じさせるマンガ家が志村貴子だ。 彼女の描く作品には、あまり作りこまれている雰囲気が無い。申し訳ないが、壮大な物語やプロット作りに志村貴子が頭を悩ませている姿…

竜の学校は山の上

(2012年評)本作は、それなりに好評なようだが、 あえて辛口なレビューをさせていただく。 一言でいうと、「RPGゲーム世代」に、星新一の真似事をさせるとこんな作品になるのかなぁ、といった感想だった。 幻想と現実の錯綜した本作が新しくみえるのは、…

69億のクリスマス

クリスマスとサンタクロースをテーマにしたオムニバス作品。 とりあえず読んでみたが、お勧め度は普通といったところ。 ただし、絵と作品の雰囲気は良くマッチしているので、今後も作品を作り続ければ、そのうち佳作は作れそうなマンガ家ではあった。 個人的…

HER

傑作社交ダンスマンガを連載した、ヤマシタトモコが描く、女性をテーマにしたオムニバス形式の作品。 一つ一つの話の完成度は非常に高く、様々な日常の場面における女性心理が鮮やかに描かれている。 個人的には、女子高生の日常を描いた、3話目の作品が最…