つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

2010年代女性系

町田くんの世界

非常に気に入っていた本作も全7冊でついに完結である。ここ十数年変化が見られなかった、学園少女マンガにおける理想の男性像をメガネの主人公に置き換えたのだから、作者「安藤ゆき」の偉業はもっと称えられるべきだろう。実際問題、この造形のキャラクター…

僕僕先生

ネムキの出すマンガは、他の雑誌では味わえない面白さを持つ作品が多いので、個人的には好みである。そして、そんな独自路線という意味で、完全にわが道を歩んでいた中国の仙道を描いた本作も全4冊であえなく完結である。「仁木英之」の原作小説は何冊も出て…

YES!

ベテランが自分の持つマンガ力のままに、哲学的なテーマを奔放に描くと、ここまで作品がとっ散らかるのかとある意味、驚愕する作品。作者「槇村さとる」お得意の、働く女性をテーマにした作品で、主人公「入江みどり」は人気アナウンサーとして、キャリアの…

たそがれたかこ

「入江喜和」ほどスポットライトの当て方が特殊なマンガ家も少ないだろう。最近始まった新連載もそうだが、本作は45歳のヒロインという設定で、非常に地味な主人公の日常を描いている。ただ、地味な主人公が面白くないかというと、マンガとしては全く逆で、…

新久千映のお酒のお時間です

女性の酒飲みマンガ家として、その地位を完全に確立した作者「新久千映」のお酒マンガである。今回のテーマは、家でのお酒という事で、食べ歩きジャンルではなく、様々な家の中でのお酒との過ごし方が描かれている。酒飲みが酒とつまみを楽しむというジャン…

高台家の人々

ベテラン「森本梢子」の腕が冴え渡る、異色のラブコメ作品。冴えない会社員の主人公「木絵」が、風邪で会社を4日休んでいる間に現れたのは、海外支社帰りのイケメン社員の王子様。 と、ここまでは如何にも王道少女漫画だが、その王子様が実は人の心を読める…

さばげぶっ!

なかよし連載の少女マンガとしては、完全にギリギリのラインを攻めた唯一無二のサバゲーギャグ少女マンガ。この辺りのテーマ選びののセンスは、流石に一度ヒット作を出した「松本ひで吉」だけの事はある。学園内で絶大な人気を誇る「鳳美煌」に無理やりサバ…

人間仮免中 つづき

読む前からどんな悲惨な結末になってしまうのかが恐ろしくて、なかなか手を出せなかった本作をついに読了。まえがきの段階から既に不穏な要素だらけで、いつ不幸が訪れるのかびくびくしながら読んだが、結果としては、想定する限り最も幸せな結末だったので…

あたらしいひふ

「高野雀」の同人誌時代の初期作品集である。大型新人として、「さよならガールフレンド」で鮮烈なデビューを果たした作者だが、流石に初期作品群という事もあって本作のクオリティ自体は並。ただし、表題作の「あたらしいひふ」は非常に面白く、服というテ…

図書館戦争 LOVE&WAR

「有川浩」の有名な原作小説をコミカライズした本作。検閲により本が狩られる時代、メディアを規制するメディア良化委員会と、それに対して図書館の自治を守る図書隊の対立という、なかなか突拍子もない設定が、ある意味マンガの世界に非常にマッチしている…

いとへん

全1冊完結の、仕立て屋物語 「宇仁田ゆみ」が描くにしては珍しく、天然で可愛らしさだけが取り柄なおバカ主人公「ななこ」と、仕立て屋の師匠「ヒラタ」のほんわかしたやり取りを描いた作品。 アマゾン等を見ると、案外酷評が並ぶが、このレベルの作者が描い…

スラム団地

人とは違うオリジナリティを持ちながら、人間描写が巧みなマンガ家はすべからくスラム出身ではないだろうか。 そんな不謹慎な想像を裏づけしてくれる本作「スラム団地」 作者「松田奈緒子」の幼少時代の団地での生活を描いた作品だが、その後の作者の描くマ…

リアル風俗嬢日記

Webバナー等で度々広告が出ていた本作。見た感じエッセイ系の要素が強そうで、エロ作品ではなさそうだったので購読。結果としては、確かにリアル風俗嬢日記というタイトル通りの作品だった。作者「Ω子」自身が現役の風俗嬢で、お店に来た人との体験や経験を…

私のともだち

魔法使いの娘シリーズが終わってしまったせいで、「那州雪絵」のサスペンス作品が読めなくなってしまったわけだが、この度、ホラー短編集が発売される事になって歓喜。全6作品ほどが収録されているが、今回も非常に面白い。表題作「私のともだち」も良いが、…

よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話

エホバの証人と思われる宗教を信じる母親の元で育った作者「いしいさや」の物語。やはり、伝えたいことがある人が描く作品というのは力強いもので、画力やセンスとは全く別の次元で、宗教勧誘を取り巻く環境の真実の一面を描いている。近年では「高木かや」…

大人スキップ

やはり「松田洋子」は鬼才だった。14歳の中学2年生の女子が、ふとした事故から眠りに入って、目が覚めたら40歳になっていた。そんな夢も希望もない状態からスタートした本作が全2冊で完結と知ったときは明らかに打ち切りエンドを想像していた。しかし、結果…

とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話

Amazonのレビューの評価と、マンガとしての評価が一致しないという意味で、今回は非常に勉強になった。エッセイ作品は好きなので、良く読むジャンルなのだが、Amazonのレビューというのはそれなりに参考になる。平均して評価が高い作品というのは、万人にと…

キャラメルタイム

生徒数の減少により廃校になることが決まった田舎の高校の図書館部に所属する主人公「百(もも)」。 幼い時に離れ離れになった幼馴染の「時(とき)」が田舎に帰ってくることになり、彼を無理やり図書館部に誘ったのはいいものの、「廃部になるから学校の図…

人は見た目が100%

オシャレに憧れる理系女子もどきの3人組が、毎回新しいテーマのオシャレに取り組むという、ありそうでなかった作品である。この手の女性雑誌におけるギャグ枠の作品は、ハマるときは本当にハマる面白い作品が出るので、本作も連載開始と同時に注目していたと…

まじめな時間

「月に吠えらんねえ」の「清家雪子」によるまじめな死後の世界の物語。不慮の交通事故に巻き込まれて死んでしまった女子高生「一紗」が自分の死後の世界を幽霊になって眺める事になる。死後の世界を描いた作品といえば、やはり、「吉富昭仁」の「ツレビト」…

局地的王道食

「松本英子」のW完結フェアという事で、今回は、2巻で完結した局地的王道食。ちなみに局地的王道食とは、「作者のこころのだいじな食べ物」の事らしい。この作品、本当に好きだったので2巻で完結が非常に残念。異端の作者に相応しい、他の人がそこまで愛さな…

謎のあの店

松本英子がW完結フェアという事で、2作連続レビューとなる。まずは、3冊で完結となった「謎のあの店」から。作者が気になる、街中の不思議な謎のあの店に入店してしまうという怪しいコンセプトと、「松本英子」の作風が完全にマッチしており、この点は流石…

わたしの宇宙

登場人物が徐々に、自分たちがマンガの世界の住人である事に気がついていく、いかにもIKKIらしい意欲作である。この手のメタ作品はある意味誰もが一度は妄想する設定で数年に一度は作品レベルで登場して話題になるのだが、やはりオチが常に難しい。作者「野…

ハシレジロー

絶対に面白く才能があるのに、どうにも売れる作品に繋がらない作者「瀬川藤子」 お寺の次男坊に産まれた主人公ジローの仏教学校での日常を描く作品だが、今回もいつもと同じ水準で面白い。しかし、全2冊で打ち切り、勿体ない話である。ストーリー・絵・キャ…

ウツボラ

「中村明日美子」の描く可愛い女の子の物語も良いが、やはり、本作のような世界観こそ、この作者に相応しい。冒頭からの突然の女性の自殺と、彼女の双子を名乗る謎の女性と、行き詰まりの小説家。序盤からのミステリアスな雰囲気を最後まで保ちながら、全2冊…

(ニコ)完全版

自分の生き方に悩んでいる少年少女たちの前に突如現れる不思議な少女「ニコ」。彼女と出会ってしまった事で、人生を翻弄される登場人物たちの様子は、ある意味「笑ウせぇるすまん」の世界なのだが、少女「ニコ」が万能の存在ではない為、色々なパターンのオ…

妻は他人 だから夫婦は面白い

なんとなくブログの記事を読んで購入。最近、この手の書籍化作品が増えてきているのだが、やはり、以前に比べて作品のクオリティが、下がってきている気がしてならない。正確には、昔のWebから書籍化した作品は、一冊全てを通して、ある程度の質を担保してお…

明日も未解決

物凄く久しぶりの「桑田乃梨子」である。細く長く30年以上、なんとなく読んでなんとなく楽しむこの作風を続けているのだからある意味天才。ただ、今回ようなオカルトジャンルは作者の得意領域なので、正直、他のシリーズの方が面白い。その意味であえて、こ…

鉄楽レトラ

強くは主張しないけれども、自分の描きたいマンガを素直に描く。 そんな感性を感じる作者「佐原ミズ」の描く、男子高校生とフラメンコを描いた青春物語。画力に関しては相変わらず文句なしなのだが、物語としては少し子供っぽい展開も多く、バランスが取れて…

ドミトリーともきんす

評価が難しい作品である事は間違いないが、個人的には、あまり楽しめなかった。残念である。 作者の「高野文子」は、ガロ系派閥の神様のような存在なので、批判するのはおこがましいし、実際「黄色い本」等は素晴らしい傑作だと認識している。 ただ、本作は…