つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

2000年代男性系

雲出づるところ

土田世紀作品の中でも、未読だった本作を古本屋で購入。あらすじからして重い話だとは思っていたが、上下巻を通して読むと心底重たい。幸せの絶頂を迎えるはずだった二人が、癌との闘病生活を始める事になる展開に始まって、これでもか、というくらい困難が…

クロサギ / 新クロサギ

詐欺師という今までマンガに馴染まなかったテーマを、詐欺師を狙う詐欺師=クロサギという設定で、見事に大ヒット作に押し上げた本作。 特に序盤の面白さは素晴らしく、多くの読者が魅了されたものである。 反面、詐欺の設定部分は面白いのだが、結局のとこ…

結界師

完結以来読んでいなかった本作を読み返したところ、当時感じたより何倍も面白く感じて、何度も読み返してしまったので、長文で書く事にする。以下、壮絶にネタバレありなので、未読の方は禁止。長編なんだけどなんとなく地味だよね、とか中盤まで(黒芒楼編…

生存~Life~

現在のように引き伸ばしてばかりの作品を描いていない頃の「福本伸行」原作によるショートサスペンスのお手本のような本作。余命半年を宣告された、家庭を省みなかったサラリーマンの主人公。自殺を考えた彼に届いた警察からの一本の電話は、14年前に失踪し…

黒子のバスケ

女性ファンに支えられた作品と思われがちの本作だが、SLAM DUNKという伝説のバスケ作品を連載したジャンプで、バスケマンガをヒットさせたというだけでも、作者「藤巻忠俊」はもっと評価されて良いだろう。作品としては、能力バスケットマンガとも呼べる、あ…

イリヤッド 入矢堂見聞録

原作「東周斎雅楽」と作画「魚戸おさむ」というベテランコンビが描く、考古学サスペンス作品。「東周斎雅楽」といえば「長崎尚志」の別名義なわけだが、どうにもこの手のサスペンス作品を描かせると、結末の見えない迷宮に入り込むので性質が悪い。そんな中…

番長連合

エリートヤンキー三郎で大ブレイクした作者「阿部秀司」が真面目に書いたヤンキーマンガそれが「番長連合」である。ヤンキー全盛期のマガジンにも存在しなかった、番長による全国制覇という馬鹿馬鹿しい設定を、当時最も勢いが弱かったチャンピオンで連載し…

めだかボックス

「西尾維新」という才能が、単なるマイナージャンルの存在ではなくジャンプというメジャーな舞台に耐えうる事を見せつけた異色の傑作。 才色兼備を超えた生徒会長「黒神めだか」を中心に展開する学園バトルとも呼べる本作は、オタク色の強い「暁月あきら」の…

ラスト・ワルツ

今なお孤高の存在である雑誌アックスで連載された、「島田虎之介」の恐るべき処女作。 ここまで壮大な物語を語られると、読み手としては正直、評価が難しい。 昨今流行りのマンガというより、これは物語なのだ。 マンガという表現を使っているが、絵と文字に…

少女探偵金田はじめの事件簿

「あさりよしとお」らしさ満載の本作。探偵マンガの皮をかぶったギャグ漫画。でも、やっぱりいつも通り、心の片隅に不協和音を残すこの空気感。 推理小説のお約束を逆手にとって、様々なパターンで強引にオチをつける作者の博識に拍手。 名探偵ゆくところに…

少年エスパーねじめ

一体なぜあの週刊少年ジャンプがこのマンガ家を採用しようと血迷ったのか今もってわからない天才作家「尾玉なみえ」 雑誌掲載から10年近くが経過した今もなお、ここまでカオスなマンガは正直少ない。その意味では最先端である。 ジャンプが誇る天才ギャグ…

サユリ1号

「村上かつら」の代表作といえば、やはりこれだろうか。自分の妄想の中の美少女とそっくりの人物が、現実に現れたら人はどんな反応をするのか。そんな思考実験ともいえる設定に、大学生活という不思議な時間軸と人間関係を絡めた本作の登場に、当時は随分と…

ベイビーステップ

近年のスポーツ漫画としては最高峰の面白さを誇った本作が落としどころの無い完結を迎えたことで、ますます長期連載が嫌いになっている昨今である。本作自体は超有名作品の一つなので未読の方は少ないだろうが、テニス完全初心者の主人公「エーちゃん」が、…

ボーイズ・オン・ザ・ラン

ある程度有名なマンガの中でも気をつけなければいけないのが、この「花沢健吾」作品である。最近ではアイアムアヒーローの、投げっぱなしエンドで、多くの読者をショックのどん底に陥れたが、この作者が謎を解かなかったり、読者にカタルシスを与えなかった…

ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

ジャンプという連載誌の作風にまったく合わない、独特のセンスと画風を発揮した「西義之」の代表作。ただし、雑誌の雰囲気にはあわなかったが、序盤の頃に描かれていた魔法律という設定と、少し不気味で少女マンガ的なオカルトの雰囲気は、十分面白く、ファ…

焼きたて!!ジャぱん

パン職人という珍しいテーマを扱ったマンガの中では、最も有名と思われる本作。 主人公「東和馬」は、パン職人に憧れる少年で、日本人にとってのご飯のようなパン=「ジャぱん」を作る事を夢に職人としての道を目指す。序盤の面白さは大変素晴らしいものがあ…

ラスト.ワルツ―Secret story tour

今なお孤高の存在である雑誌アックスで連載された、作者「島田虎之介」の恐るべき処女作。 ここまで壮大な物語を語られると、読み手としては正直、評価が難しい。 昨今流行りのマンガというより、これは物語なのだ。 マンガという表現を使っているが、絵と文…

バロンドリロンド

競馬マンガというジャンルは、作品数が少ないマイナージャンルなのだが、その中でも知名度が低い本作「バロンドリロンド」女性騎手でGⅠを目指すという目の付け所の良さは、流石に、原作「北沢未也」だけの事はある。反面、女性主人公キャラクターの極端な性…

ぼくと姉とオバケたち

まだまだマイナーだった時代の「押切蓮介」が描いた得意のお化けギャグを使った4コマ作品。作者にとっての初のシリーズ完結作品という事で、確かに時間軸的には「でろでろ」より少しだけ早く完結している。お化けをぶん殴ってギャグにするというジャンルは、…

るくるく

不可思議な作品を描かせれば右に出る者のいない、作者「あさりよしとお」による、不条理日常マンガ。突然やってきた悪魔のお姫様「るくるく」と暮らす事になる、平凡な主人公「六文」。ただし、第一話からいきなり父親が惨殺されるという、あさり作品以外で…

ハックス!

「アリスと蔵六」が好評な作者「今井哲也」による初期作品。高校のアニ研を舞台に、自主製作動画を創る物語で、パッと見の絵柄は可愛らしいのだが、絵柄に似合わず、かなり哲学的な作品である。主人公が天才設定の為、とにかく言語が不自由で、他者との距離…

極悪がんぼ/激昂がんぼ/がんぼ ナニワ悪道編

極悪がんぼ16冊からはじまり、激昂8冊、ナニワ悪道編9冊と長きにわたって続いた本シリーズもついに完結である。裏社会のナニワ金融道的な存在だった、序盤の極悪がんぼも面白かったが、個人的には主人公神崎がフィクサーとして頭角をあらわしはじめる激昂編…

サナギさん

絵が下手という致命傷を抱えながら、独特のセンスでマンガ家の地位を確立している作者「施川ユウキ」の代表作である。主人公のサナギさんがほんわかに、友人のフユちゃんが毒舌を交えて、世の中を眺めるだけの4コマギャグマンガ。 ただ、それだけのマンガな…

オーレ!

最高傑作「ORANGE」以降、サッカー界の痒いところに手が届く作品を描き続ける作者「能田達規」 上司の命令で、2部リーグのサッカークラブに関わることになった公務員の主人公を軸に、弱小サッカークラブの現実を描いた傑作だ。 あまりにいぶし銀な作品ゆえ…

猫背を伸ばして

「押切蓮介」好きとしては、書類送検されてしまいいたたまれないので、せめて本作を読んであげる事にした。 内容的には、マンガで食べていけるようになるまでの作者の半生を描いた、暗黒青春ジャンルの作品である。 この作者の、どうしようもない暗い青春の…

邪眼は月輪に飛ぶ

短編作品としては最高峰の絶賛を受ける、「藤田和日郎」の傑作。見られたら死ぬ、という圧倒的な力の梟「ミネルヴァ」と、それを追う狩人の物語。 スピーディーな展開と藤田作品特有の迫力あるアクションが混ざり、気が付けば、最後まで読んでしまう短編傑作…

CLAYMORE

13年は長い時間だったが、稀代のダークファンタジー作品の素晴らしいラストに脱帽。 あの「エンジェル伝説」の「八木教広」が、女性だけをメインキャラクターに、バトルファンタジー作品を描き始めたと聞いた時は、正直、少しも期待できなかった。 事実、連…

空色動画

作者「片山ユキヲ」が藤田和日郎のアシスタントという事でつい手に取ってしまった本作だが、まぁ結果としては。。。女子高でアニメを作るというあざとい設定のわりには、作風は藤田和日郎系の方向性。この辺りが既に、残念ながら破綻している。また、展開や…

ディアスポリス 異邦警察

異端の画力「すぎむらしんいち」と、思わせぶりの原作「リチャード・ウー」のコンビによる異色の物語。日本に不法滞在する外国人と、その人権を守る裏都庁。そして裏都庁の警察署長を務める、主人公「久保塚早紀」。設定の面白さは圧倒的で、さすがに毎週の…

おせん

漫画界には8割の手塚派と2割の水木派がいる、との名言を残した水木派の作者「きくち正太」の代表作である。 老舗料亭の若女将「おせん」は、普段は酒ばかり飲んでいるが、書道・陶芸と幅広い芸術の腕を持ち、特に料理の腕前は天才的という看板女将。 そん…